2001 Fiscal Year Annual Research Report
京郊中世村落の歴史的環境復原のための総合的研究―山城国乙訓郡大藪村(京都市南区)を中心に―
Project/Area Number |
13410101
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
仁木 宏 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90222182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉城 玲子 向日市文化資料館, 資料係, 主査(常勤研究職)
原 秀樹 (財)長岡京市埋蔵文化財センター, 調査係, 主査(常勤研究職)
長宗 繁一 (財)京都市埋蔵文化財研究所, 調査部・資料課長(常勤研究職)
福島 克彦 大山崎町歴史資料館, 学芸員
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Keywords | 大藪 / 中世村落 / 地籍図 / 乙訓郡 / 東寺 / 中世居館 / 西岡 / 歴史環境 |
Research Abstract |
大藪村に関する中世史料、近世史料の収集をおこなった。活字史料の整理、写真史料のコピー収集をおこない、目録化の準備を進めた。近代になって作成された絵図、地籍図、航空写真等の資料を収集し、研究の利便をはかるためトレース、デジタル化した。考古学の発掘調査の成果をまとめ、遺物・遺跡の整理・提示方法について検討を加えた。現地踏査をおこない、水利・民俗慣行などについて聞き取りを実施するとともに、墓塔など石造物の悉皆的な調査も試みた。 その結果、先史時代以来の自然地理条件の変容、城館跡をふくむ中世遺跡の立地、中世史料にみえる地名の析出とそれが近世以降どのように継承されてゆくかなどについて明らかにできた。また高度経済成長期以前における、村の生業のあり方や景観、水争いの実態などについても情報を得ることができた。 さらに、山城国以外の諸地域について、古文書やフィールドワークを通じて、中世聚落・地域社会の実態を解明し、比較検討する方法を検証した。 こうした情報を研究代表者・研究分担者間で共有するため、調査とは別に、月1回のペースで会合を開いた。そうした中で、本年5月、主に中世史・考古学・城郭史などの研究者を対象として、当該研究の中間段階の成果を公表し、方法論についてアドバイスを得るため、公開シンポジウムの開催を決定し、その準備をおこなった。また、地元の市民向けの講演会についても検討をはじめた。最終報告書の構成、収載情報などについても議論を重ねた。 今後も関係史料の収集、整理、また聞き取り調査などを実施するとともに、シンポジウム、講演会を通じて成果のとりまとめかたについて工夫を加え、継続して報告書の作成を進めることとする。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 仁木 宏: "『御土居』への道-戦国・織豊期における都市の展開-"豊臣秀吉と京都-聚楽第・御土居と伏見城-(文理閣). 43-60 (2001)
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[Publications] 長宗繁一: "乙訓の古墳時代景観"実証の地域史 (大阪経済法科大学出版部). 175-190 (2001)
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[Publications] 原 秀樹: "長岡京跡右京第703次調査概要"長岡京市文化財調査報告書. 第43冊. 1-16 (2002)
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[Publications] 原 秀樹: "長岡京跡右京第690次調査概報 長岡京跡右京第694次調査概報"長岡京市埋蔵文化財センター年報 (平成12年度). 94-97,112-115 (2002)
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[Publications] 原 秀樹: "長岡京跡左京第445次調査概報"長岡京市埋蔵文化財センター年報 (平成12年度). 134-137 (2002)
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[Publications] 玉城 玲子: "市民による町並み模型の製作と地域"博物館学年報 (同志社大学博物館学芸員課程). 第33号. 37-56 (2001)
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[Publications] 福島克彦: "えごまを求めて -中世大山崎の商人たち"大山崎町歴史資料館. 32 (2001)