2003 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
13410145
|
|---|
| Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
|---|
Principal Investigator |
劉 建輝 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (00321620)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 民郎 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (60062767)
稲賀 繁美 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (40203195)
鈴木 貞美 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (60179207)
劉 岸偉 東京工業大学, 外国語研究教育センター, 助教授 (30230874)
上垣外 憲一 帝塚山学院大学, 人間文化学部, 教授 (50120332)
|
|---|
| Keywords | コロニアリズム / 植民地支配 / アイデンティティ / 異文化体験 / 想像力 / 文化相対主義 / 多文化主義 |
|---|
| Research Abstract |
今年度は、研究実施計画通り、まず、過去二年度に引き続き各分担者がそれぞれの担当テーマに基づいて国内外で文献資料を収集する一方、すでに入手した各分野の文献資料の整理と分析を行った。具体的には、劉建輝と鈴木貞美が海外研究協力者である呂元明(中国・吉林教育国際交流協会中日韓文化交流研究所教授)、劉春英(東北師範大学助教授)両氏の協力を得て、旧満州で刊行された満州文化総合雑誌『芸文』等の史料を発掘した上、それらを素材に「受け継がれる帝国の記憶--大連近代都市空間の成立とその変遷--」「グローバリゼーション、文化ナショナリズム、多文化主義と日本近現代文芸」等の論文を作成した。竹村民郎、稲賀繁美、劉岸偉、孫江が同じく海外研究協力者である厳安生氏(北京日本学研究センター教授)らの協力を得て、中国と日本各地の図書館や諸関係施設から多くの貴重な資料を入手し、それらをもとに下記(11)のような研究成果を公刊した。
次に、分担者同士及び海外研究者との連携と交流をはかるために、今年度はまた打ち合わせの研究会を一回、国際研究集会を一回、それぞれ開催した。打ち合わせの研究会では、韓国・高麗大学校教授李漢燮を招いてプロテスタント宣教活動における朝鮮半島と旧満州の関連について情報と意見を交換した。国際研究集会では、海外からは呂元明、王中枕(清華大学教授)、劉春英、李振遠(大連市芸術研究所研究員)、宋延平(同前)、楊乃喬(首都師範大学教授)、林容澤(韓国・仁荷大学副教授)・高寧(華東師範大学教授)諸氏、国内からは宮沢恵理子(国際基督教大学講師)、劉雨珍(帝塚山学院大学客員教授)の両氏を招いて、旧満州の経済、教育、宗教、民族、都市文化等の課題について報告してもらった上、プロジェクトのメンバーを交えて活発な議論と意見交換を行った。
なお、今年度のこれらの研究活動はまた内外のメディアにも注目され、その成果一部は、「社会科学報」(中国)の学術欄(2004年1月29日)に紹介され、高い評価を受けた。
|
-
[Publications] 劉 建輝: "受け継がれる帝国の記憶--大連近代都市空間の成立とその変遷--"東アジアの都市形態と文明史(国際シンポジウム21・日文研). 285-291 (2004)
-
[Publications] 劉 建輝: "壁に掛けられた摩登(モダン)--欲望都市を現出するもう-つの表象--"アジア遊学(勉誠出版). 第62号. 40-49 (2004)
-
[Publications] 鈴木貞美: "グローバリゼーション、文化ナショナリズム多文化主義と日本近現代文芸"日本研究(日文研). 第27集. 13-56 (2003)
-
[Publications] 稲賀 繁美: "東洋画優位論の成立とその背景-豊子榿「中国美術在現代芸術上的勝利」再読"新世紀の日中文学関係 その回顧と展望(勉誠出版). 123-138 (2003)
-
[Publications] 劉 岸偉: "The Impact And Dialogue in East Asia"言語文化論叢(東京工業大学外国語研究教育センター紀要). 第八号. 39-50 (2003)
-
[Publications] 孫 江: "後現代主義、新史学与中国語境(中国語)"新史学--多学科対話的図景(中国人民大学出版社). 659-677 (2003)
-
[Publications] 竹村民郎: "大正文化帝国のユートピア:世界史の転換期と大衆消費社会の形成"三元社. 291 (2004)
