2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13420021
|
Research Institution | DAITO BUNKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安 世舟 大東文化大学, 法学部, 教授 (70054806)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 喬夫 新潟大学, 法学部, 教授 (90163609)
加藤 秀治郎 東洋大学, 法学部, 教授 (60140068)
田中 治男 成蹊大学, 法学部, 教授 (50014436)
和田 守 大東文化大学, 法学部, 教授 (80007236)
永井 健晴 大東文化大学, 法学部, 教授 (10172488)
|
Keywords | 政治理論 / ドイツ / ワイマール共和国 / マックス・ウェーバー / カール・シュミット / ハンス・ケルゼン / ユルゲン・ハーバマス / ラルフ・ダーレンドルフ |
Research Abstract |
1.「戦争と革命」によって特徴づけられる20世紀の転変を典型的な形で表現したドイツ政治理論を体系的に検証し、21世紀への指針を探り出すため、マックス・ウェーバーやカール・シュミットなど20世紀前半期における政治理論、ユルゲン・ハーバマスやニクラス・ルーマンなど20世紀後半期における政治理論について、各研究分担者が役割分担に応じた個別研究を進めるとともに、研究代表者の安が全体的調整を行った。 2.2001年度・2002年度の2年間にわたり7回の共同研究会と2回の全体合宿を実施して各自の研究報告と参加者による討論を行った。これらの機会を通して,20世紀の現代国家が孕む全ての諸問題に後発近代国家の立場からその解決を試みたドイツ政治理論の全体像を浮かびあがらせながら、英米政治理論との批判的対決とその克服の努力について共通理解を深めることができた。具体的には、「政治の優位」論を特徴とする伝統的ドイツ政治理論と第一次大戦後に「政治化」現象が顕徴となった現代国家全般にかかわる問題であり、個人の自由権に対する国家理性優位の構造的特色の中から模索された「社会的自由主義」の可能性にかかわる問題などである。 3.この研究成果は年報政治学2002『20世紀のドイツ政治理論』(岩波書店)に収録されている。20世紀におけるドイツ政治理論を体系的に総括した研究は皆無に等しい中でその空白を埋める研究成果であり、今後、同じく後発近代国家であった日本における政治理論の検証と21世紀の展望を切り拓くうえでの指針を提示しえたと思われる。
|
Research Products
(18 results)
-
[Publications] 安 世舟: "ヘルマン・ヘラーにおける『過渡期社会』の政治理論"年報政治学『20世紀のドイツ政治理論』. 2002. 71-104 (2002)
-
[Publications] 牧野 雅彦: "ウェーバーの政治理論-『職業としての政治』を中心に-"年報政治学『20世紀のドイツ政治理論』. 2002. 3-22 (2002)
-
[Publications] 古賀 敬太: "シュミットの政治的なものの概念再考"年報政治学『20世紀のドイツ政治理論』. 2002. 23-48 (2002)
-
[Publications] 谷 喬夫: "ケルゼンにおけるイデオロギー批判と民主制"年報政治学『20世紀のドイツ政治理論』. 2002. 49-70 (2002)
-
[Publications] 住沢 博紀: "二〇世紀を生きた批判的政治学者フランツ・ノイマン"年報政治学『20世紀のドイツ政治理論』. 2002. 105-132 (2002)
-
[Publications] 永井 健晴: "ユルゲン・ハーバーマスの政治理論"年報政治学『20世紀のドイツ政治理論』. 2002. 133-162 (2002)
-
[Publications] 小野 耕二: "ニクラス・ルーマンの政治理論"年報政治学『20世紀のドイツ政治理論』. 2002. 163-179 (2002)
-
[Publications] 加藤 秀治郎: "ダーレンドルフの政治・社会理論-ドイツ・欧州の政治・社会動向とからめて-"年報政治学『20世紀のドイツ政治理論』. 2002. 181-196 (2002)
-
[Publications] 安 世舟: "On the concepts of power and state on the basis of Hermann Heller's theory of the state"Daito Bunka Comparative Law and Political Science Review. 1号. 14-23 (2001)
-
[Publications] 安 世舟: "現代政治学における権力概念の変容と分裂"大東法学. 11巻2号. 75-157 (2002)
-
[Publications] 田中 治男: "コンドルセ政治思想研究"成蹊法学. 54号. 1-17 (2001)
-
[Publications] 小野 耕二: "Toward A Comparative Politics For Analyzing Those Nations Making The Transformation From A Planned To A Market Economy"法政論集. 195号. 1-17 (2003)
-
[Publications] 永井 健晴: "正義と支配"大東法学. 10巻. 187-232 (2001)
-
[Publications] 永井 健晴: "R・マウラー,プラトーン的「最善国家」という問題のアクチュアリティ"大東法学. 11巻1号. 217-251 (2002)
-
[Publications] 住沢 博紀: "福祉国家と「第3の道」の政治学"宮本太郎編『福祉国家再編の政治』(ミネルヴァ書房). 307-368 (2002)
-
[Publications] 住沢 博紀: "『第3の道』はいかに日本に受容されたか-社会民主主義的アプローチの困難と可能性-"高木郁朗他編『グローバル化と政治のイノヴェーション』(ミネルヴァ書房). 23-42 (2003)
-
[Publications] 古賀 敬太: "カール・シュミットの国家概念再考"政治思想研究. 3号. 1-28 (2003)
-
[Publications] 谷 喬夫(ほか7名): "政治思想史"三嶺書房. 272 (2002)