2001 Fiscal Year Annual Research Report
直接投資が雇用・所得分配・産業構造に及ぼす効果の研究:日本とアジアを中心に
Project/Area Number |
13430003
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
萩原 泰治 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (40172837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 誠一 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (40135778)
中谷 武 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (40093281)
足立 英之 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70030666)
石黒 馨 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (20184509)
藤川 清史 甲南大学, 経済学部, 教授 (90238543)
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Keywords | アジア / 日本経済 / 直接投資 / 産業構造 / 国際産業連関 / 雇用構造 / 応用一般均衡分析 |
Research Abstract |
研究計画に基づき、文献研究を中心とした理論的な研究、社会開発指標や各国の金融市場、資金移動などに関する文献の収集と整理、そしてアジア各国の産業連関表とそれを用いたこれまでの文献・資料を収集し解析した。 とくに、産業連関関係の研究を重点的に進めた。延べ4回開催された研究会において、4つのテーマについて研究の途中経過を報告・討論した。 第1に、産業間、国際間の相互依存を分析するための応用一般均衡モデルについての研究である。中島朋義(環日本海経済研究所)、伴金美(大阪大学)、伴ひかり(神戸学院)の各氏に、応用一般均衡モデルの代表的な存在であるGTAPモデルの分析を紹介して頂き、モデルの構造と分析手法についての検討を行った。 第2に、直接投資の影響についての実証分析について、稲葉和夫氏(立命館大学)に研究成果を報告していただき、方法の検討を行った。 第3に、国際産業連関表を用いて、国際投下労働量の計測を行った。利潤の源泉が途上国との賃金格差にあることが示された。各国・地域の相互依存関係を産業レベルで、検討した。 第4に、各国のマクロデータを用いて,ケインズ的な世界経済応用一般均衡モデルを開発し、各国の政府支出が自国・他国の成長率に影響を及ぼす成長率乗数の1960年から98年にかけての変化を計算した。米国の政府支出の増加が日本の成長率上昇に影響する弾力性は、日本の政府支出が米国の成長率に及ぼす弾力性に比べて大きい。同様の非対称性が日本韓国の間に観察されることが示された。 次年度は、直接投資の雇用・所得分配・産業構造に及ぼす影響に関して、応用一般均衡モデルに基づいた研究を推し進めるとともに、社会開発指標、資本移動に関する課題に関しても分析を行う。
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