2003 Fiscal Year Annual Research Report
デザイン・ツー・パフォーマンスの導入と実践の効果に関するフィールド研究
Project/Area Number |
13430039
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 啓孝 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (40062187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 惠一 早稲田大学, 商学部, 教授 (60218443)
清水 孝 早稲田大学, 商学部, 教授 (50216090)
伊藤 嘉博 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (10168388)
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Keywords | デザイン・ツー・パフォーマンス / バランスト・スコアカード / ツリー型戦略マップ / DTPワークシート |
Research Abstract |
本研究では、経営計画の初期段階で業績を事前に作り込むことを意図したデザイン・ツー・パフォーマンスの実践ツールとして、バランスト・スコアカードの可能性と課題について検討・分析を重ねてきた。3年間の研究の最終年度の本年度も、昨年度と同様、内外のバランスト・スコアカード導入企業を対象としたヒアリングおよびアクションリサーチを中心に研究活動を実施してきた。特に後者に関しては、同一企業を対象に複数回の調査を実施して経過観察を行うだけにとどまらず、われわれ研究グループが開発した2つの手法(ツリー型戦略マップ、DTPワークシート)を数社で適用してもらい、技術面ならびに組織面の両面においてその効果に関する検討も行ってきた。その結果、当該諸手法を支援ツールとして活用することを通じてバランスト・スコアカードを確実にデザイン・ツー・パフォーマンスへと近づけることができることを確認できた。 また、上記の研究活動を通じて、われわれ研究グループは、わが国企業におけるバランスト・スコアカード実践におけるさまざまな問題点ないし課題を抽出した。主なものを列挙するなら、バランスト・スコアカードと予算制度との有機的連携、報酬システムとのバランスト・スコアカードにもとづく業績評価との関連などである。バランスト・スコアカードは戦略を日常的なアクションに落とし込んで、戦略の実現を支援するという意味において戦略マネジメントシステムとして機能するが、使い方次第では戦略そのものを作りこむツールとしての貢献も期待できる。とくにわが国にあっては、潜在的にそうしたニーズもつ企業・組織が多いことも研究における発見事項である。 研究グループの各メンバーはこれまで段階的に上記の研究成果の1部を論文および著作を通じて公表してきた。学会および研究会を通じての成果の公表については、2004年6月に協力企業のマネジャーも含めたワークショップを神戸大学にて開催することが決定している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小林啓孝: "BSCと業績評価"企業会計. 55・5. 33-39 (2003)
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[Publications] 伊藤嘉博: "経営品質とBSC"企業会計. 55・5. 40-43 (2003)
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[Publications] 伊藤嘉博: "バランスト・スコアカードと予算との有機的連携の意義と可能性"産業経理. 63・3. 82-89 (2003)
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[Publications] 清水 孝: "統合的戦略マネジメントへの発展"企業会計. 55・5. 78-83 (2003)