2001 Fiscal Year Annual Research Report
無限次元スーパー・リー環とW代数の表現論及びその数学的応用
Project/Area Number |
13440012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
脇本 實 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (00028218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 美枝子 金沢大学, 理学部, 教授 (70130226)
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70202017)
佐藤 榮一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10112278)
田川 裕之 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (80283943)
落合 啓之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90214163)
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Keywords | アフィン・リー環 / アフィン・スーパー・リー環 / W代数 / Drinfeld-Sokolov reduction / admissible表現 / スーパー・コンフォーマル代数 / N=4スーパー・コンフォーマル代数 / 頂点作用素代数 |
Research Abstract |
この研究課題のもとで本年度に行った研究の内で主なものは次の通りである。 (1)対称なCartan行列をもつアフィン・リー環の基本表現を具体的に構成する方法として,homogeneousな実現とprincipalな実現がある。これらはそれぞれ有限Weyl群の単位元およびCoxeter元に付随する実現であるが,筆者は多項式の空間とルートのZ_2格子とのテンソル積を表現空間として基本表現の新しい構成法を与えた。この方法はWeyl群の最長元に付随する実現であり,それが単位元すなわちhomogeneousな実現よりむしろ単純な構造をもつことを示している。それと同時に,頂点作用素代数のZ_2版と呼ぶべきものもまた美しい構造をもつことが分かった。この研究はプレプリントmath.RT/0111018として公表した。 (2)スーパー・コンフォーマル代数(SCA)の表現論は物理学の面からも深い関心を持って研究されているが,多くの難しい障碍があり,ランクの高いSCAには研究成果の蓄積あるいは累積はこれまでほとんど無かった。筆者は本研究課題のもとで,Kac教授(MIT)との共同研究により,羃零元軌道にDrinfeld-Sokolov reductionの量子化を行って,アフィン・スーパー・リー環gのW代数W(g)を構成し,gがsl(2|1)^およびsl(2|2)^のときに,それらのW代数としてN=2とN=4のSCAを構成した。他のSCA例えばN=3 SCAなどとアフィン・スーパー・リー環との関係についても現在研究が進行中である。 W代数として構成することの利点は,W(g)の表現をgの表現を用いて調べる道が開けることであり,上述のことからすでに,N=4 SCAの表現について興味深い現象が見える。例えば,sl(2|2)^の双対Coxeter数は0であるため,sl(2|2)^の境界レベルのadmissible表現は存在しない。従って,Virasoro代数やNeveu-Schwarz代数やN=2 SCAのときの離散系列に対応する系列の表現は,N=4 SCAには存在しないということになる。また,N=4 SCAの既約表現の指標はN=0,1,2のときのようなモジュラー性でなく,半モジュラー性を持つことが分かる。これらは新しい現象であり,これに引き続いて,このときの指標の具体的な性質やそれの漸近的挙動およびfusion代数などの重要な性質を定性的および定量的に具体的に調べて行きたい。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Victor G.Kac et al.: "Integrable highest weight modules over affine suplralgebras and Appell's function"Commun. Math. phys.. 215. 631-682 (2001)
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[Publications] Minoru Wakimoto: "A topic related to infinite-dimensicnal Lie superalgebras"Cubo Mat. Educ.. (in press). (2002)
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[Publications] Hiroyuki Ochiai: "Non-commutative harmonic oscillators and Fuchsian ordinary differential operators"Commun. Math. Phys.. 217. 357-373 (2001)
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[Publications] Hideki Ishihara et al.: "p-Divisibility of the number of solutions of x^p=1 in a symmetric group"Annals of Combinatorics. 5. 197-210 (2001)
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[Publications] Kyo Nishiyama et al.: "Nilpotent orbits, associated cycles and Whittaker models for highest weight representations"Asterisqve. 273. 1-163 (2001)
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[Publications] Hiroyuki Tagawa: "Some properties of inverse weighted parabolic kazhdan-Lusztig polynomials"Journal of Algebra. 239. 298-326 (2001)
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[Publications] Minoru Wakimoto: "Lectures on Infinite-Dimensional Lie Algebra"World Scientific publishing Company. 444 (2001)