階数1の単純リ一群の離散部分群の幾何学的手法による研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13440019
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 納谷 信 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (70222180)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中西 敏浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (00172354) ; 小林 亮一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20162034) ; 江尻 典雄 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (80145656) ; 糸 健太郎 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (00324400) ; 太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
• Keywords: 組合せ調和写像 / 超剛性 / 四元数CR幾何 / 極小曲面 / 値分布論 / 離散群の表現 / 結晶格子 / シンプレクティック多様体

Research Abstract

研究代表者・納谷信は、井関裕靖と共同で、単体複体から非正曲率空間への組合せ調和写像の概念を定式化し、その存在を確立するとともに、組合せ調和写像に対するボホナー型公式を書き下し、応用としてマルグリス超剛性のある場合の別証明を与えた。また、鎌田博行と共同で、四元数CR幾何の研究を行い、標準接続の表現論的意味付けを与えた。
研究分担者・江尻典雄は、ショットキー問題への極小曲面を用いたアプローチについて研究を行った。
小林亮一は、値分布論における対数微分の補題および第2主要定理について研究するとともに、微分幾何におけるワイツェンベックの公式との類似性について考察した。
中西敏浩は、2次元のタイヒミュラー空間の面積、および穴あき曲面群のSL(2,C)表現の空間への写像類群の作用について研究を行った。
小谷元子は、結晶格子上のランダムウォークの推移確率の時間無限大での漸近挙動を調べ、大偏差原理を証明した。
太田啓史は、単純楕円型特異点のリンクとして得られる3次元接触多様体を境界とする4次元シンプレクティック多様体の存在について研究した。
井関裕靖は、クライン群のエントロピー剛性について研究し、C^*環に係数を持つコホモロジーの非消滅との関係を明らかにした。
鎌田博行は、複素曲面上のスカラー平坦な不定値ケーラー計量で、ある種の対称性を持つものについて研究した。
糸健太郎は、エキゾチックな射影構造と擬フックス群空間、およびショットキー群とタイヒミュラー空間のベアス境界について研究した。

Research Products

• [Publications] 納谷信, 鎌田博行: "Quaternionic analogue of CR geometry"Seminaire de theorie spectrale et geometrie, GRENOBLE. 19. 41-52 (2001)
• [Publications] 小林亮一: "Method of integral geometry in Nevanlinna theory, lemma on logarithmic derivative and a program toward the second main theorem"AMS Sugaku Exposition. (to appear).
• [Publications] 中西敏浩, Marjatta Naatanen: "Areas of two-dimensional moduli spaces"Proc. Amer. Math. Soc.. 129. 3241-3252 (2001)
• [Publications] 小谷元子: "A note on asymptotic expansions for closed geodesics in homology classes"Math. Ann.. 320. 507-529 (2001)
• [Publications] 小谷元子, 砂田利一: "The pressure and higher correlations for an Anosov diffeomorphism"Ergodic Theory Dynam. Systems. 21. 807-821 (2001)
• [Publications] 太田啓史: "Brieskorn manifolds and metrics of positive scalar curvatur"Advance Studies Pure Math.. (to appear).
• [Publications] 太田啓史: "Obstruction to and deformation of Lagrangian intersection Floer cohomology"Proceedings of KIAS workshop on "Symplectic Geometry and Mirror Symmetry", World Scientific. (to appear).
• [Publications] 井関裕靖: "Convex-cocompactness of Kleinian groups and conformally flat manifolds with positive scalar curvature"Proc. Amer. Math. Soc.. (to appear).
• [Publications] 鎌田博行: "Indefinite analogue of hyperbolic ansatz and its application"Tohoku Math. Publ.. 20. 69-73 (2001)
• [Publications] 糸健太郎: "Exotic projective structures and quasi-Fuchsian space"Duke Math. J.. (to appear).