2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440021
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斉藤 恭司 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20012445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 篤史 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (50314290)
森 重文 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00093328)
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60027381)
青木 宏樹 立命館大学, 理工学部, 助手 (10333189)
寺尾 宏明 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90119058)
|
Keywords | 無限次元リー環 / 楕円ルート系 / 原始形式 / 周期写像 / 最高ウエイト表現 / 拡大アフィン・ルート系 / Bruhat分解 / Peter-Weyl定理 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は、主に次の三点にまとめられる。 1.楕円リー群を完備化する事により、Bruhat-Tits分解が成立する事を示した。 2.一般拡大アフィン・リー環の最高ウエイト表現を構成し、その最高ウェイト部分のなす非可換環のなす構造を、ブロック代数なる代数を導入して説明した。 3.原始周期写像に対する逆問題及び原始保型形式に関する諸問題を整理定式化した。 以下順次、各項目について説明する。 1.楕円ルート・ワイル群はコクセタ群でない(すなわち、Tits系とならない)にもかかわらず、楕円リー群に対しBruhat-分解が成立する事は、非常に重要であり、多くの応用が見込まれる。特に、Chevalley型の定理を示すに際し、決定的な役割をはたす。研究成果はマックス・プランク研究所における研究会(2001年6月)、代数群国際会議(2001年8月上智大学)等に口頭発表された。現在作成中の楕円リー群論の一章として、プレプリントを作成している。 2.楕円リー群に対するPeter-Weyl型の定理を示すには、そのリー環の表現論の緻密な記述が必要である。楕円リー環を含む拡大アフィン・リー環はKac-Moodyリー環でない為、従来はそれ等のリー環は最高ウエイト表現は存在しないと考えられてきた。この仕事では、有限次元カルタン代数を無限次元のハイゼンベルク代数又はその一般化におきかえるならば、三角分解が存在し、従って、任意の整ウエイトΛに対し、普遍最高ウエイト・可積分表現L(Λ)が存在する事を示した。その際、最高ウエイト部分は、ハイゼンベルク代数の包絡環の商として、無限次元非可換環となる。その生成系と基本関係式をブロック代数なる概念により解明した。いくつか基本的応用として、L(Λ)の自己同型群の決定、基本表現のモジュライ空間のスタックとしての表現等ができる。 この研究成果は数理物理学国際会議(2002年2月数理研)(等)にて口頭発表された。現在作成中の楕円リー群論の一章として、プレプリントを作成している。 3.原始形式に対する周期写像の概念を導入して、20余年となるが、その逆写像としての保型形式に新たな関心が持たれる。無限次元リー環との関連やA_<2^->型、B_2=C_<2^->型、G_<2^->型の楕円保型形式への展開問題等従来明示的に論じられてなかった諸問題に整理と見通しを与えた。 この研究成果は岡潔生誕100年記念研究集会(2001年10月数学)、東京大学大学院数理科学研究科(2001年11月)等で口頭発表された。(文献[1]参照)
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] K.Saito: "Primitive automorphic forms"Mathematics unlimited-2001 and beyond, Part II, Springer. 1003-1018 (2001)
-
[Publications] K.Saito: "Exended affine root systems V. Elliptic eta-products and their Dirichlet series"AMS. 30. 185-222 (2001)
-
[Publications] S.Mori: "On a hyperplane section theorem of Gurjar"Math. Ann.. 319. 533-537 (2001)
-
[Publications] S.Mori, O.Fujino: "A canonical bundle formula"J. Diff. Geom.. 56. 167-188 (2000)
-
[Publications] A.Takahashi, S.Hosono, M.Saito: "Relative Lefschetz action and BPS state counting"Internat. Math. Res. Motices. 15. 783-816 (2001)
-
[Publications] A.Takahashi: "Gromov-Witten Invariants and Moduli of Steaves"数理解析研究所講究録. 1232. 160-173 (2001)