2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440030
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 陽一郎 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20033889)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重川 一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00127234)
日野 正訓 京都大学, 大学院・情報学研究科, 講師 (40303888)
熊谷 隆 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (90234509)
白井 朋之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70302932)
原 啓介 立命館大学, 理工学部, 講師 (30298715)
|
Keywords | 大偏差原理 / エントロピー / 漸近挙動 / 熱核 / ウィーナー汎関数 / フレドホルム行列式 / フェルミオン過程 / 関数力学系 |
Research Abstract |
大偏差原理の諸相に関して、初年度は主として情報収集および準備的な研究に力点をおき、熊谷はSan DiegoおよびSeattleにおいて講演、討論、情報収集を行い、また英国の新進気鋭のN.Victoir氏を招聘し、最新情報を収集した。本年度の研究成果は以下の通りである。 1.関数力学系。関数力学系は1次元写像値の力学系であり、高橋は片岡、金子、行木とともに、その不動点集合および2段階までの階層構造を決定し、共著論文を発表した。この数学的基礎により、自己参照系のモデルである複雑な内部構造をもつ力学系の漸近挙動の解明の足掛かりが得られた。 2.フェルミオン過程、ボゾン過程を含むフレドホルム行列式に付随する確率場に関して、高橋と白井は一般的な枠組みを提案、その一般論と基本的な極限定理を解明した。とくに、基礎空間が格子の場合のフェルミオン過程に対しては、大偏差原理は古典的なセゲの第一定理の一般化であることを発見、また極めて緩い条件のもとに、ギブス場であり、正エントロピーをもつことを証明した。これらの成果の概要は既に発表、本論文は近く投稿する予定である。 3.この他の分担者もそれぞれの研究を遂行しつつあるが、とくに、熊谷は、拡散過程の集合間の推移確率に関するVaradhan型の短時間挙動など熱核の短時間挙動に関する研究を進めており、また原は、池田とともに2次のWiener汎関数の構造について研究を進め、van Vleckの公式の数学的意味を解明しつつある。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] T.Kumagai: "Transition density asymptotics for some diffusion processes with multi-fractal structures,"Electronic Journal of Prob.. 6. 1-23 (2001)
-
[Publications] Y.Takahashi: "Function dynamics,"Japan J. Indust. Appl. Math.. 18. 405-423 (2001)
-
[Publications] I.Shigekawa: "The domain of generator and the intertwining property"In"Stochastics in Finite and Infinite Dimensions"(eds. T. Hida eaal). 401-410 (2001)
-
[Publications] M.Hino: "On the space of BV functions and a related stochastic calculus in infinite dimensions"Journal of Funct. Anal.. 183. 245-268 (2001)
-
[Publications] T.Shirai, Y.Takahashi: "Fermion process and Fredholm determinant"Proc. Second ISAAC Congress, Kluwer Academic Press. 1. 15-23 (2001)