2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440055
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮川 鉄朗 神戸大学, 理学部, 教授 (10033929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 匡義 神戸大学, 理学部, 助教授 (30281158)
野呂 正行 神戸大学, 理学部, 教授 (50332755)
中西 康剛 神戸大学, 理学部, 教授 (70183514)
福本 康秀 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (30192727)
渡辺 清 神戸大学, 理学部, 助教授 (60091245)
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Keywords | 非圧縮流体の方程式 / 初期値境界値問題 / 安定性 / 漸近挙動 / 渦輪 / 結び目 / 特異摂動 |
Research Abstract |
代表者宮川は全空間と半空間において非圧縮粘性流体の方程式の解の時空漸近形を考察し、空間無限遠方での挙動にある拘束条件を課した場合に、解がガウス型関数を用いて漸近展開できることを示した。またこの結果を用いて一般の弱解に対してエネルギー減衰率の下限の存在を示し、それを越える減衰率を持つ解は必然的にある種の対称性を持つこと、またその対称性の形は全空間の場合と半空間の場合とでは異ることを示した。また全空間の場合にこの対称性を持つ解の減衰率が従来の予想より大きいことを示した。放物型方程式の一般論によりこの中間の減衰率を持つ解も存在するはずであるが、その研究は今後の課題である。他方半空間の場合には、展開第一項が初期値と解自身の相互作用の形で記述されるため、一般に予想される最適減衰解についてはその存在がまだ明示的には知られていない。その一方で、その「最適減衰率」を越える解のクラスは容易に構成できる。いずれにせよ、問題はまだ完全な解決をみていない。 さらに代表者は上の結果を外部領域の流れに拡張するため、外部問題の解のモーメントの評価を試み、放物型半群の最新の結果を用いてほぼ最適な結果を導いた。これによって、外部領域の粘性流の漸近展開が可能になり、展開第一項が一般に可積分ではなく、かつその関数の係数がいわゆる物体に働く抗力を表すことを示した。この事実は定性的には知られていたものであるが、具体的な関数を用いてそれを表示したのはこれが最初である。この結果については現在論文を作成中である。 分担者福本は、非圧縮非粘性流体内の渦輪の運動を、特異摂動法を用いて解析し、渦輪の運動の安定性条件について、分担者自身の創案になる非局所誘導近似と、渦輪の曲線に付随する非線形Schrodinger方程式の解析を援用して、渦輪と遠方の流れとの間の漸近解析について従来知られた結果を補正する項を導き、非局所誘導近似モデルをより現実的なものとした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tetsuro Miyakawa: "Notes on space-time decay properties of nonstationary incompressible Navier-Stokes flows in R^n"Funkcialaj Ekvacioj. 45(印刷中). (2002)
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[Publications] Tetsuro Miyakawa: "On optimal decay rates for weak solutions to the Navier-Stokes equations in R^n"Mathematica Bohemica. 126. 443-455 (2001)
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[Publications] Yoshiko Fujigaki: "Asymptotic profiles of nonstationary incompressible Navier-Stokes flows in the half-space"Mathods and Applications of Analysis. 8. 121-158 (2001)
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[Publications] Yoshiko Fujigaki: "Asymptotic profiles of nonstationary incompressible Navier-Stokes flows in the whole space"SIAM Journal on Mathematical Analysis. 33. 523-544 (2001)
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[Publications] Yoshiko Fujigaki: "On solutions with fast decay of nonstationary Navier-Stokes system in the half-space"Nonlinear Problems in Mathematical Physics and Related Topics. 1(印刷中). (2002)
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[Publications] Yasuhide Fukumoto: "Higher order asymptotic theory for the velocity field induced by an inviscid vortering"Fluid Dynamics Research. 30. 67-95 (2002)