陽子超前方非弾性散乱による不安定核の巨大単極子共鳴(GMR)の研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13440064
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 小林 俊雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30186754)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 坂口 治隆 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30025465) ; 大津 秀暁 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90302075) ; 岩佐 直仁 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50322996)
• Keywords: RIビーム / 中性子過剰核 / 巨大単極子共鳴 / 核物質 / 圧縮率

Research Abstract

中性子過剰核の巨大単極子共鳴をRIビームと陽子標的を逆運動学での超前方非弾性散乱で測定する実験に関する色々な準備研究を行った。
まず、実験のシュミレーションを行い、実験室系0度に放出される低エネルギー陽子測定の為の180度磁気分析器の主要な部分である電磁石の設計を行った:H型電磁石として、ポール(70cm50cm)、ギャップ13cm最大磁場1.2Tesla、重量約6tonnである。科研費予算の制限から他の予算で製作を行いつつあり、平成14年度夏前に完成の予定である。真空箱に関しても、同じ時期までに完成の予定である。
焦点面検出器の方式に関しては、色々なシュミレーションの結果、PPACによる粒子の位置/方向測定の代わりに、Si検出器による全エネルギー測定と、可能であれば飛行時間の測定を用いた放出角度測定を行う方式に変更した。検出する陽子のエネルギーが低い為、検出器表面の不感層の影響、エネルギー分析能、時間分析能が重要になる。数種類のSi検出器について低エネルギー陽子ビームを用いて試験を行い、実験状況下での分析能を評価した:0.5-3.0MeV陽子に対するエネルギー分解能は約25keV程度で、充分な結果が得られた。しかし、時間分析能に関しては要求より約10倍悪い値であり、現在色々な改良をしながら測定を続けている。
現在の状況としては、平成14年夏前に検出器系をほぼ完成させ、加速器からのビームを用いた試験を行えるよう、色々な準備を進めている。