2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440080
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長谷部 信行 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (10127904)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 徹 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (70082831)
宮地 孝 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (20013401)
鷹野 正利 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助教授 (00257198)
小林 正規 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (70312080)
|
Keywords | 宇宙線 / 超鉄核 / 同位体弁別 / 宇宙線の起源 / 元素合成 / 粒子加速機構 / 粒子伝播機構 / 大面積シリコン検出器 |
Research Abstract |
銀河宇宙線GCRの核成分、特に、超鉄核の同位体元素、白金・鉛やアクチニド元素、超ウラン元素に至るまでの核成分の観測は、宇宙線の謎を解く最も有力な情報を与えてくれる。GCRだけでなく太陽表面や惑星間空間で生起している高エネルギー現象は、規模の差こそあれ宇宙に共通する身近な宇宙現象である。そのような立場から、GCRの観測だけでなく、太陽フレアやCME粒子イベント、地球磁気圏の粒子イベントのデータ解析を行っている。 1)GCRとして気球観測TIGERの観測データ、2)太陽粒子イベントとして放射線帯下層域を周回する「つばさ」の観測データ、を解析した。更に、3)将来の宇宙線同位体観測のための検出器の開発を行っている。それらの結果ついて述べる。 1)気球実験TIGERの観測データの解析し、宇宙線の核電荷分布を得た。大気トップ厚さと入射粒子の角度から、鉄の平均自由行路とサブ鉄核/鉄比を求めた。従来の結果と一致した。今後統計を増やすことで、前例のない高精度の実験結果が得られると期待される。 2)「つばさ」に搭載した粒子検出器により、数10MeV/n域の放射線帯補足粒子3He/4He比を求めた。その結果、太陽組成比の約100以上であることが判った。3Heの起源の最有力候補として、大気Heと磁気圏陽子との核相互作用で生成した3Heであると考えられる。また、インパルシブ粒子イベントを放射線帯下層で捕らえることができ、大きな3He/4He比を得ることができた。 3)固体飛跡検出器CR-39及びシリコン検出器を利用した同位体弁別法により、ビーム実験を行った。入射ビームは55Fe、56Feである。それらの試験結果からFe核域での質量分解能として約0.2amu(rms)が得られるものと推定できた。今後さらに実験の行い改良を加えていく予定である。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] S.Kodaira, N.Hasebe, T.Doke, M.Asaeda, N.Yasuda et al.: "Identification of Iron Isotopes using CR-39 Track Detector"Proc.of 28th ICRC. Vol.4. 2253-2257 (2003)
-
[Publications] H.Matsumoto, H.Koshiishi, T.Goka, M.Fuji, N.Hasebe: "Heavy Ion Telescope onboard the "TSUBASA" Satellite"Proc.of 28th ICRC. Vol.6. 3469-3472 (2003)
-
[Publications] H.Matsumoto et al.: "Spatial Distribution of Energetic Heavy Ions and Its Time Structure in the Radiation Belts"Proc.of 28th ICRC. Vol.6. 3511-3514 (2003)
-
[Publications] G.Bashindzhagyan et al.: "NUCLEON Satellite Mission --- Stutus and Plans ---"Proc.of 28th ICRC. Vol.4. 2205-2208 (2003)
-
[Publications] G.Bashindzhagyan et al.: "Accelerator Tests of the KLEM Prototypes"Proc.of 28th ICRC. Vol.4. 2209-2212 (2003)
-
[Publications] A.Ihara, T.Doke, N.Hasebe, J.Kikuchi, M.-N.Kobayashi et al.: "A Global Structure of the Magnetic Flux Rope Observed in Interplanetary Space Fitted by a Torus-typed Forced-free Model"Proc.of 28th ICRC. Vol.6. 3557-3560 (2003)
-
[Publications] H.Miyasaka, K.Nagata, T.Doke, N.Hasebe et al.: "Solar Energetic Particles Events Observed with EIS Onboard NOZOMI Spacecraft"Proc.of 28th ICRC. Vol.6. 3265-3268 (2003)
-
[Publications] 小平聴, 長谷部信行, 道家忠義, 浅枝真行, 安田仲宏 他: "CR-39飛跡検出器を用いた鉄核同位元素の質量分解能の評価"宇宙放射線. Vol.4. 53-65 (2003)