2001 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能磁気スペクトロメーターによる重いラムダハイパー核の構造の研究
Project/Area Number |
13440084
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
永江 知文 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50198298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関本 美知子 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50206637)
応田 治彦 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (60221818)
野海 博之 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (10222192)
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Keywords | 原子核物理 / ハイパー核 / スペクトロスコピー |
Research Abstract |
本年度は高分解能磁気スペクトロメーターの全体設計をまず開始した。外国にある類似のスペクトロメーターについても調査を行った。スペクトロメーターの性能を大きく左右する焦点面検出器についても、綿密な設計計算を行い、その仕様を確定することができた。この設計に基づき、焦点面検出器で必要となる二台の粒子飛跡検出器のうち、まず一台目を今年度製作することとした。良い位置分解能を得るために、飛跡検出器の方式としてはドリフトチェンバー方式を採用することとし、高い計数率に対応できるようにドリフトセルの大きさを調節した。付属部品等を取り付けた後、性能評価を行う。焦点面検出器のうち、トリガー用のシンチレーション検出器も設計が終わり製作に入った。 一方、重いラムダハイパー核の構造研究のもつ意義について、国内外の理論家との議論を重ね、これまでの重いラムダハイパー核の構造に関する実験データについて、その解釈も含めて論文にまとめ発表した。この論文では重いラムダハイパー核に束縛されたラムダ粒子が、その一体ポテンシャル中で有効質量として真空中での質量の70%程度になっているということを、実験的に初めて示唆することができた。また、この解析結果をもとに、今後の重いラムダハイパー核研究の方向についても議論を深めることができた。構造のみならず、ハイパー核の崩壊モードの研究についても実験の価値があることが判明した。
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Research Products
(1 results)