2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440097
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
栃原 浩 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (80080472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 敏男 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20107395)
三好 永作 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (70148914)
水野 清義 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (60229705)
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Keywords | 表面構造 / 表面金属シリサイド / 低速電子回折法 / 表面X線回折法 / 分子軌道計算 / 化学結合 |
Research Abstract |
2年目である平成14年度は以下のような研究をおこなった。 (1)九大の栃原と水野は、初年度に製作した極低温低速電子回折装置を用いて、Si(001)表面の極低温でのLEED観察をおこない、p型ではc(4x2)のままであるのに対して、n型では1/4次のスポット強度が約45Kで急速に減少するのを見出した。現在、論文にまとめている。 既存の低速電子回折装置を用いて、タリウム原子(Tl)をSi(111)7x7表面に吸着させ約300℃に加熱したときにできる(1x1)構造を低速電子回折法で決定した。(1x1)構造では、Tl原子がT4位置に存在するというこれまでにない新しい構造であった。2つの論文にまとめ発表した。 (2)九大の三好は、Si(111)表面とアルカリ金属、アルカリ土類金属および第3族金属原子との相互作用を高精度の分子軌道計算を注意深く行うことにより、最安定の吸着サイトを求めた。Na, MgおよびAlについてはそれぞれT1,B2およびT4サイトが最安定であることが明らかになった。これらの成果を論文として発表した。 (3)東大の高橋は、Si(111)√3x √3-Ag表面の低温、および室温構造を表面X線回折法により解析した。室温ではHCT(Honeycomb Chained Triangle)構造をとっているものが、低温では、室温より対称性の低いIET(Inequivalent Triangle)構造をとることが分かった。格子振動については、かなり非等方性が強く、三角形状のAg原子がその中心の回りに回転する方向に大きく熱振動していることが分かった。さらに、相転移温度を決定し、相転移は構造変化をともなう変位型相転移であることも明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] W.Shimada, H.Tochihara: "In situ observation of initial homoepitaxial growth on the Si(111)7x7 surface using scanning tunneling microscopy"J. Cryst. Growth. 237-239. 35-38 (2002)
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[Publications] S.S.Lee, H.J.Song, J.W.Chung, K.Kong, D.Y.Ahn, H.Li, B.D.Yu, H.Tochihara: "structural and electronic identification of thallium overlayer on the Si(111)7x7 surface"Phys. Rev.. B66. 233312-1-233312-4 (2002)
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[Publications] W.Shimada, H.Tochihara: "Formation mechanism of the Si(111)7x7 reconstruction studied by scanning tunneling microscopy : Zipper-like restructuring of isolated single faulted-halves"Surf. Sci.. 526,No.3. 219-229 (2003)
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[Publications] T.Noda, S.Mizuno, C.W.Chung, H.Tochihara: "T4 site adsorption of T1 atoms in a Si(111)-(1x1)-Tl structure, determined by low-energy electro diffraction analysis"Jpn. J. Appl. Phys. Part2. 42No3B(in press). (2003)
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[Publications] T.Takahashi, H.Tajiri, K.Sumitani, K.Akimoto, H.Sugiyama, X.Zhang, H.Kawata: "X-ray diffraction study of the phase transition of Si(111)root3 X root3-Ag surface"Surf. Rev. Lett.. (in press).
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[Publications] E.Miyoshi, H.Mori, S.Tanaka, Y.Sakai: "Theoretical study of interactions between the Si(111) surface and metal atoms"Surf. Sci.. 514No.1-3. 383-388 (2002)