2001 Fiscal Year Annual Research Report
極低温角度変化磁化測定による異方的強相関電子系の研究
Project/Area Number |
13440106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田山 孝 東京大学, 物性研究所, 助手 (20334344)
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Keywords | 磁化測定 / 連続角度変化 / 異方的超伝導 / 上部臨界磁場 / 常磁性効果 / スピンアイス化合物 / メタ磁性転移 |
Research Abstract |
1.角度変化磁化測定装置の開発 スプリットペアマグネットにGPIB制御のステッピングモーターで駆動できるヘリウム3冷凍機を組み合わせ、試料に対する磁場方向の精密な角度制御を可能にした。また、ファラデー法の磁気力を検出するためのキャパシタンス磁力計を新たに設計し、試作した。 2.異方的超伝導体CeCoIn5の上部臨界磁場における1次相転移の観測 重い電子系超伝導物質CeCoIn_5(Tc=2.3K)の低温磁化測定を行った結果、T/Tc=0.35以下の低温領域において正方晶a、c軸方向ともに磁化曲線が上部臨界磁場Hc2において不連続的な飛びを伴う1次転移を起こす事がわかった。この結果は1重項超伝導状態における強い常磁性効果による1次相転移の初めての例であると考えられる。またc軸方向の磁化過程に極めて低温(T/Tc<0.06)で明瞭なピーク効果が見出された。その強い温度依存性は通常の機構では説明がつかず、超伝導状態の内部における何らかの新しい相転移の存在を示唆している。 3.スピンアイス化合物Dy_2Ti_2O_7の低温磁化 立方晶パイロクロア化合物Dy_2Ti_2O_7では強いイジング磁気異方性の幾何学的フラストレーションのために強磁性的相互作用にもかかわらず低温まで磁気秩序を示さない。この系の[111]方向の低温磁化過程を調べたところ、アイスルールが壊れることに伴うメタ磁性転移(2-in 2-outから3-in 1-out状態への転移)が1K以下でシャープに観測された。しかし得られた磁化曲線は単純な理論的予測とは異なり、磁化ステップに非自明な構造があることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Sakakibara: "Multipole Ordering In f electron systems"J. Phys. Chem. Solids. (印刷中). (2002)
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[Publications] T.Sakakibara: "Anomalous Uniaxial Pressure Effect on the Phase IV Ordering in Ce_xLa_<1-x>B_6"J. Phys. Soc. Jpn.. (印刷中). (2002)
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[Publications] T.Sakakibara: "Magnetic susceptibility of Ce_<0.75>La_<0.25>B_6 under uniaxial pressure"Physica B. (印刷中). (2002)
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[Publications] T.Tayama: "Magnetization study of the heavy fermion superconductor CeCoIn_5"J. Phys. Chem. Solids. (印刷中). (2002)
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[Publications] K.Matsuhira: "Low temperature magnetic properties of frustrated pyrochlore ferromagnet Ho_2Sn_2O_7 and Ho_2Ti_2O_7"J. Phys. Condens. Matter. 12. L649-L656 (2001)
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[Publications] K.Matsuhira: "Novel dynamical magnetic properties in the spin ice compound Dy_2Ti_2O_7"J. Phys. Condens. Matter. 13. L737-L746 (2001)