2002 Fiscal Year Annual Research Report
北太平洋におけるサブダクション過程の定量的・実証的解明
Project/Area Number |
13440138
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須賀 利雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70211977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木津 昭一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40241517)
花輪 公雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40142921)
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Keywords | 北太平洋亜熱帯循環 / サブダクション / 水塊 / モード水 / 渦位 / 冬季混合層 / 等密度面平均気候値 / プロファイリングフロート |
Research Abstract |
サブダクション率の定量化に先立って、サブダクション過程の特徴を定性的に明らかにするために、独自の海洋混合層気候値から平成13年度に明らかにした3つのモード水(亜熱帯モード水・中央モード水・東部亜熱帯モード水)の形成域を,等密度面平均気候値データNorth Pacific HydroBaseにみられる各モード水の分布の特徴と比較して、各モード水を特徴づける低渦位の成因について考察した。亜熱帯モード水の低渦位は混合層前線を横切る流れに伴う「水平注入(lateral induction)」が大きいこと、東部亜熱帯モード水の低渦位は「等密度線を横切る流れ(cross-isopycnal flow)」が小さいことによってそれぞれ形成されるという、従来の説を支持する結果を得た。一方、中央モード水の低渦位は、従来考えられていた大きな「水平注入」よりも、むしろ小さな「等密度線を横切る流れ」によって主に形成されていることを示した。これらの海洋気候値と風応力の気候値を組み合わせて、平滑化スケール等を変えてサブダクション率計算を試行し、最適な計算法を決定した。 平成13年度に準備したと等密度面追随型プロファイリングフロートを中央モード水分布域に投入し、現在までに8ヶ月以上にわたる10日ごとの水温・塩分プロファイルを得た。周囲のCTDデータ等との比較から水温・塩分センサーは正常に稼動していること、設定密度に、必要な精度で追随していることを確認し、このフロートがモード水のサブダクション過程の実測に利用可能であることを示した。フロートが潜行する際の最深層データを記録するように仕様を改良して、新たに1台のフロートを発注・購入した。 上記のフロートによるラグランジュ的な観測データに対応するシミュレーションを行うための混合層モデルを、強制の与え方や初期条件を変えて走らせ、最適なパラメータを選定した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Frederick M.Bingham: "The origin of waters observed along 137°E"Journal of Geophysical Research. 107・7. 3073 (2002)
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[Publications] Yoshikazu Aoki: "Subsurface subtropical fronts of the North Pacific as inherent boundaries in the ventilated thermocline"Journal of Physical Oceanography. 202・8. 2299-2311 (2002)
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[Publications] Toshio Suga: "Surface water masses I the central North Pacific transition region : the repeat section along 180° meridian"Journal of Oceanography. 59(印刷中). (2003)
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[Publications] Takahiro Miura: "Numerical study on formation of the dichothermal water in the Bering Sea"Journal of Oceanography. 59(印刷中). (2003)