2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440139
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安田 一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80270792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 朝生 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所・海洋生産部, 室長(研究職)
日比谷 紀之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80192714)
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Keywords | 黒潮 / 黒潮続流 / 親潮 / 海流 / 水塊 / 海洋物理学 / 海洋学 / 大気海洋相互作用 |
Research Abstract |
本年度は、亜寒帯水と亜熱帯水が合流し、北太平洋中層水が形成される、黒潮続流域において近年導入された垂下式超音波流速計・走行式水温塩分プロファイラによる詳細な観測を、2003年8-9月に、中央水産研究所蒼鷹丸によって実施した。 これらの観測から、黒潮続流中層には波長100-200kmの塩分・渦位の前線波動が存在し、この波動が下流方向に向かって振幅を増加砕波することによって2つの異なる水塊が効率良く混合することが明らかとなった。中層に比較すると振幅は小さいが表層にも前線波動が見られ、衛星画像解析によれば波長100-200kmの波動が成長しながら位相速度0.2-1m/sで下流方向に伝搬していた。中層の波動と表層の波動の間には位相差があり、波動の峰は表層が先行していた。この位相のずれにより、北太平洋中層水の顕著な塩分極小構造が形成される。また、流体の安定性解析からこの波動は、低渦位の中層親潮・表層亜熱帯モード水の存在によって規定される表・中層で反対の渦位傾度に起因する傾圧不安定波であることが明らかになった。親潮水が黒潮続流付近に流入することによって、傾圧不安定波を励起し、混合を活発化することによって自ら北太平洋中層水の形成を促進していることを示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Noto, I.Yasuda: "Empirical biomass model for the Japanese sardine with sea surface temperature in the Kuroshio Extension. Fish"J.Oceanography. 12. 1-9 (2003)
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[Publications] Y.Shimizu, I.Yasuda et al.: "ADCP-referenced Kuroshio and Oyashio water transports for the North Pacific Intermediate Water formation"J.Phys.Oceanogr.. 33. 220-233 (2003)
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[Publications] R.Inoue, I.Yasuda et al.: "Modification of North Pacific Intermediate Water around Mixed Water Region"J.Oceanography. 59. 211-224 (2003)
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[Publications] I.Yasuda: "Hydrographic structure and variability of the Kuroshio-Oyashio Transition Area"J.Oceanography. 59. 389-402 (2003)
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[Publications] T.Ono, I.Yasuda et al.: "Re-estimation of annual anthropogenic carbon input from Oyashio into North Pacific Intermediate Water"J.Oceanography. 59. 883-891 (2003)
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[Publications] M.Masujima, I.Yasuda et al.: "Transport of Oyashio water across the Subarctic Front into the Mixed Water Region and formation of NPIW"J.Oceanography. 59. 855-869 (2003)