2001 Fiscal Year Annual Research Report
東海沖活断層に沿った湧水活動の短期変動と履歴の研究
Project/Area Number |
13440144
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芦 寿一郎 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (40251409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 英一 東京大学, 海洋研究所, 教授 (10107451)
松本 良 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40011762)
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Keywords | ガンマ線測定 / 冷湧水 / 活断層 / 南海トラフ / 海底堆積物 |
Research Abstract |
海底におけるガンマ線測定は,従来,潜水艇搭載型装置によって行われてきた.本研究では冷湧水に伴うガンマ線強度の時間的な変動を明らかにするため,数週間の問,現場に設置し観測を続けるための装置の仕様を検討し,特注により購入した.この装置は,高容量リチウムバッテリーとフラッシュメモリーにより,連続して約半月間のデータ取得が可能である.耐圧は,水深4000mであり,本研究の調査対象海域である南海トラフにおける海底活断層に沿った地点での観測が行える.室内における合計340時間のデータ取得・データ記録・電源供給に関しての試験では,良好な作動が確認できた.また,平成13年度末に相模湾初島沖の水深約1000mの地点での数日間の海底設置・観測試験により現場での作動を確認する予定である. 平成14年度のガンマ線測定地点の選定のため,南海トラフ海域において有人潜水艇「しんかい6500」(海洋科学技術センター)を用いた事前調査を行った.付加プリズム斜面の3ヶ所において,冷湧水を示唆する化学合成生物群集を見いだした.中でも水深2500mの断層崖においては,潜水艇搭載型装置による海底ガンマ線測定によって,南海トラフで最も高い強度が得られており,本研究での機器設置の有力候補と見なされる. 海底ガンマ線強度は,湧水に含まれる放射性物質のみならず,岩石・堆積物からの影響も考慮する必要がある.堆積物由来のガンマ線を評価するために,白鳳丸(東京大学海洋研究所)によるピストンコア採泥を熊野海盆において行い,通常の堆積層と泥火山の試料を得た.現在,自然ガンマ線の測定を実施中である.
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