2002 Fiscal Year Annual Research Report
隕石母天体に存在した太陽系最古の塩水化石の地球化学的研究
Project/Area Number |
13440165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長尾 敬介 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40131619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍵 裕之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70233666)
瀧上 豊 関東学園大学, 法学部, 教授 (40206909)
兼岡 一郎 東京大学, 地震研究所, 教授 (30011745)
三浦 弥生 東京大学, 地震研究所, 助手 (90282730)
中村 智樹 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20260721)
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Keywords | 希ガス同位体 / ハロゲン / 岩塩 / Allende隕石 / Zag隕石 / 希ガス質量分析 / 顕微ラマン分光 / 中性子照射 |
Research Abstract |
本研究の2年目に重要な課題は、1)VG3600質量分析計の改造、2)中性子照射試料の希ガス分析、3)ハロゲン濃集鉱物を含む隕石の鉱物学的観察研究をおこなうことである。 1)および2)については、一年目におこなったイオン検出器の改造後、我々が開発した質量分析制御と同位体比計算プログラム(HP-BASIC)を用いて、性能試験を繰り返しおこない、安定した良好なイオンビームが得られるようになった。新たに導入したイオンカウンティングシステムは、予定通りの性能を発揮した。一方、Daly検出器のノイズレベルと安定度の改善には時間を費やしたが、最終的には目的の性能を達成し、地球試料のAr-Ar年代測定への実用化を開始した。本年度のもう一つの改造である、既存のアルゴン・レーザー加熱を用いた微小試料の能率的かつ低バックグラウンドガス抽出ラインは、設計・製作を経て組立と性能試験の段階に達した。1から100ミリグラム程度の微小試料を対象とした加熱炉は、設計を終わり製作中である。 3)については、一年目の研究に引き続き、岩塩結晶の存在が報告された隕石"Zag"と、ハロゲン濃度が異常に高い隕石Yamato-74191、さらに偏在したハロゲン濃集が確認されたAllende隕石のCAIを主たる対象として研究を進めた。この中で、Zag隕石中に明瞭なハライト結晶を見つけた。また、この角礫岩組織の希ガス組成は岩相ごとに大きく異なり、ハライト微結晶の存在を示唆するハロゲンを多量に含む部分と皆無な部分とがあることが分かった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ebisawa, N., Okazaki, R., Nagao, K, Yamaguch, A: "Halogen-derived noble gases in the Allende meteorite : A laser microprobe"Geichimica et Cosmochimica.Acta. 66. A206 (2002)