2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440169
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井川 駿一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90001841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古高 誠也 北海道大学, 大学院・理学研究科, 学振特別研究員(PD)
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Keywords | 水 / 超臨界 / ベンゼン / 高温高圧 / 近赤外分光 / 紫外分光 / 体積挙動 / 相互溶解度 |
Research Abstract |
水とベンゼンの混合流体の近赤外吸収スペクトルを温度323〜673K、圧力100〜400barの範囲で測定した。水のOH伸縮倍音遷移とベンゼンのCH伸縮倍音遷移の近赤外吸収強度から、それぞれの体積濃度を求めた。これらの体積濃度から、混合物の水相およびベンゼン相の密度を見積り、それらと同温同圧における混合前の純水および純ベンゼンの平均密度と比較して混合による体積変化を調べた。その結果、3相平衡曲線の延長線、1相臨界曲線、および水の気液平衡曲線で囲まれた3角形様の領域で、混合による体積膨脹が異常に大きくなることを発見した。更に、特定の温度と圧力においては、ベンゼンのモル分率が小さくなるほど体積膨張率がおおきくなり、例えば、573K、100bar、ベンゼンのモル分率0.18においては膨張率が700%にもなることを見いだした。これは、ベンゼンの臨界温度(562K)以上で水の気液平衡圧よりやや高い圧力において見られ、この特定の圧力より低くても高くとも体積膨張率が小さくなる。また、温度に関しては、560〜573K付近で体積膨張率が最大となり、温度上昇とともに緩やかに減少した。一方、低温側では急激に減少し通常の液体の混合による体積変化(1〜3%)と同程度となることが分かった。これらの現象は、混合流体の臨界域近傍において水に少量のベンゼンが溶解することにより、水相の密度が液体様から気体様へ変化するためと考えられる。次に、温度323〜550Kの2相共存領域において水とベンゼンの相互溶解度を求め、相互溶解度の大きな非対称性について考察した。ベンゼン中への水の溶解度に比べて、水中へのベンゼンの溶解度が1〜2桁小さいことを種々の圧力で確認した。LeeとGrazianoによる溶媒和理論を用いて溶解のギブズ自由エネルギーを計算して検討したところ、相互溶解度の大きな非対称性は少なくとも半定量的には水分子の大きさがベンゼン分子の大きさより相当に小さいことで説明できることが分かった。
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[Publications] Y.Jin, S.Ikawa: "Near-infrared spectroscopic study of water at high temperatures and pressures"Journal of Chemical Physics. 119・23. 12432-12438 (2003)
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[Publications] S.Furutaka, S.Ikawa: "Volume expansion behavior of water-hydrocarbon mixtures at high temperatures and pressures as studied by infrared spectroscopy"Fluid Phase Equilibria. 217・2. 181-188 (2004)