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2001 Fiscal Year Annual Research Report

励起三重項分子に特有な光化学過程とその選択性の探求

Research Project

Project/Area Number 13440178
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

馬場 正昭  京都大学, 総合人間学部, 助教授 (80189729)

Keywords励起三重項状態 / 光化学過程 / 高分解能分光 / 超音速ジェット / 芳香族カルボニル分子 / 項間交差
Research Abstract

高出カパルス色素レーザーと超音速ジェット、単一光子計数法を組み合わせ、冷却孤立分子の高分解能スペクトルを観測する分光システムを開発した。特に、分子からのりん光を高感度に検知することにより、励起三重項状態がその光化学過程に重要な役割を果たしている分子の解明が可能となった。nπ^*状態とππ^*状態のエネルギーが近接している分子では、その三重項状態が極めて活性になる。その典型が芳香族カルボニル化合物であり、鍵となる分子に注目して高分解能スペクトルの測定と解析を行なった。
キサントンはその中でも大きな分子であり、励起状態でのエネルギー準位密度が大きくて、さまざまな励起分子の動的過程が顕著に見られる。今回、広い波長領域にわたって測定を行なったところ、高エネルギーのS_2^1ππ^*状態でスペクトル線の異常な拡がりが見出された。これは、一重項状態から三重項状態への無輻射過程、すなわち項間交差が1ピコ秒以下の極短時間内に起こることを検証したものである。さらに、それよりも少し小さい分子であるベンズアルデヒドについても測定を行ない、キサントンより幅の広いスペクトルが観測された。これは、分子サイズによるエネルギー準位密度とは違う何か特別な機構が働いていることを示すもので、これを解明するためにはサイズの異なる他の分子を調べる必要がある。いくつかの置換基をもつ分子についても前駆的な測定を行なった結果、その種類や位置で項間交差の速度や効率が異なることが判明し、光化学過程に対する置換基選択性が示唆された。

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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