2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規ピロール系配位子の合成とその金属錯体の新機能開拓
Project/Area Number |
13440198
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久枝 良雄 九州大学, 工学研究院, 教授 (70150498)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶌越 恒 九州大学, 工学研究院, 助手 (00284539)
林 高史 九州大学, 工学研究院, 助教授 (20222226)
|
Keywords | ポルフィセン / ヘミポルフィセン / コバルト錯体 / 臭素化 / トリフルオロメチル基 / 酸化還元挙動 / 軸配位平衡 / コバルト-炭素結合 |
Research Abstract |
1.臭素化ポルフィセンおよびその錯体の合成と物理化学的性質 テトラポルフィリンに臭素を反応させ、2カ所から6カ所臭素化したポルフィセン類を合成した。そのコバルト錯体について軸塩基配位挙動を検討したところ、臭素化により中心コバルト(II)のルイス酸性が増大し、臭素化の数が多くなるほど軸配位平衡定数は増大した。臭素化してないもの、3カ所臭素化、4カ所臭素化、5カ所臭素化したものの軸配位平衡定数は、それぞれ350、3,100、6,100、20,500M^<-1>であった。また、酸化還元電位(中心コバルトおよび環の酸化還元)は、臭素化によりアノードシフトした。 2.フッ素を導入したポルフィセンおよびその金属錯体の物性 トリフルオロメチル基を4カ所導入したコバルトポルフィセンを合成した。酸化還元電位はトリフルオロメチル基を持たないものと比較して大きくアノードシフトした。また、相当する鉄錯体を合成し、μ-オキソ二量体として単離した。この錯体については、単結晶X線構造解析により立体構造を明らかにした。更に、トリフルオロメチル基を2カ所、プロピオン酸側鎖を2カ所導入した鉄ポルフィセンを合成し、アポミオグロビンに再構成した。中心金属のルイス酸性が高いので、面白い軸配位挙動や皮応が期待できる。 3.コバルト(II)ヘミポルフィセンの合成と性質 オクタチルヘミポルフィセンのコバルト錯体を合成し、サイクリックボルタンメトリー法により酸化還元挙動を検討した。ポルフィセンコバルト錯体と異なり、Co(II)/Co(I)の酸化還元波が観測された。ハロゲン化アルキルの添加によりCo(I)種は反応し、コバルト-炭素をもつアルキル錯体が生成した。興味深い触媒反反応が期待できる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T.Hayashi: "New Functionalization of Myoglobin by Chemical Modification of Heme-Propionates"Acc. Chem. Res.. Vol.35. 35-43 (2002)
-
[Publications] H.Shimakoshi: "New Macrocyclic Ligands Having Discrete Metal Binding Sites"Tetrahedron Lett.. Vol.43. 4809-4812 (2002)
-
[Publications] H.Shimakoshi: "Synthesis, Characterization, and Redox Behavior of New Dicobalt Complexes Having Monoanionic Imine/Oxime-type Ligands"Bull. Chem. Soc. Jpn.. Vol.75,No.7. 1553-1558 (2002)
-
[Publications] T.Hayashi: "Contribution of Heme-Propionate Side Chains to Structure and Function of Myoglobin : Chemical Approach by Artificially Created Prosthetic Groups"J. Inorg. Biochem.. Vol.91. 94-100 (2002)
-
[Publications] I.Aritome: "3,6,13,19-Tetrabromo-2,7,12,17-tetrapropylporphycene"Acta Cryst.. Vol.C58. 563-564 (2002)
-
[Publications] T.Hayashi: "Blue Myoglobin Reconstituted with an Iron Porphycene Shows Extremely High Oxygen Affinity"J. Am. Chem. Soc.. Vol.124,No.38. 11226-11227 (2002)