2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13440200
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
磯辺 清 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70101285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 孝訓 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10275240)
木下 勇 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80128735)
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Keywords | 硫黄循環 / 硫黄の酸化過程 / 結晶相反応 / 可逆結晶相異性化反応 / 光異性化 / 求電子反応 |
Research Abstract |
自然界の硫黄循環において、α-ジスルフォンより亜硫酸イオンや硫酸イオンが生成する過程も硫黄酸化の最終過程のひとつと予想される。我々は、ジチアジローダのメタラサイクル型Rh_2S_2骨格をもつジスルフィド錯体[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-S_2)](1)の酸素化よりα-ジスルフォン錯体[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-S(O)_2S(O)_2)](2)が生成すること、そして錯体2は、光照射によって[{(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-S(O)_2S(O)_2)}_2(O_2)](3)に異性化することを見いだした。この3が酸素あるいは酸素と水と反応して、それぞれスルファト錯体[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-SO_4)](4)やスルフィト錯体[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-SO_3)](5)が生成することを明らかにした。 また錯体2から3への光異性化と暗下での、その逆反応の両方が、結晶相でおこる、興味ある可逆結晶相異性化反応であることを見いだした。 さらに本研究で、チオールスルフォナート錯体[(RhCp^*)_2(μ-CH_2)_2(μ-SS(O)_2)](6)と求電子試薬、CH_3Iとの反応を試み、[(RhCp^*)_2(μ-SCH_2)_2(μ-SCH_3)](BPh_4)(7)を単離し、SO_2ガスの発生を確認した。そしてこの反応がCH_3IのCH_3基によるμ-SS(O)_2のS原子(S(O)_2の硫黄原子ではない)への求電子反応により進行し、C-S結合生成とともにμ-SS(O)_2、のS(O)_2部分からSO_2ガスが発生することを見いだした。他のアルキルハライドとの反応も試み、錯体7に対応する生成物を単離し、単結晶X線解析により構造決定した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Makoto Tadokoro, Takumasa Shiomi, Kiyoshi Isobe, Kazuhiro Nakasuji: "Cesium(I)-Mediated 3-D Superstructures by One-Pot Self Organization of Hydrogen-Bonded Nickel Complexes"Inorganic Chemistry. 40・22. 5476-5478 (2001)