2001 Fiscal Year Annual Research Report
量子ナノ空孔を持つ1次元チャネル型結晶への機能性分子の取り込み
Project/Area Number |
13440201
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
田所 誠 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60249951)
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Keywords | 水素結合 / 金属錯体 / ポーラス結晶 / 超分子化学 / Crystal Engineering |
Research Abstract |
今年度のグローブボックスの供給が14年3月と遅れたため、申請書にあるような嫌気下での実験は現在始めたばかりである。[Ru(Hbim)_3]を構築素子として用いた分子性ゼオライト合成には成功した。このゼオライトを用いて還元剤であるコバルトセンを用いて定電流電解還元を行った結果、分子性ゼオライトの色が濃青色から黄色に変化することが確認できた。得られた黄色い結晶は電解質カチオンである種々のアンモニウムカチオン類を取り込むことに成功した。これらはマススペクトルにより結晶内に取り込まれていることを確認したが、元素分析によると、多孔質空間内すべてに挿入されているわけではなく、ほんの1部分(最大で50%、最小で10%)取り込まれているにすぎなかった。これらの挿入量はカチオンの種類によるが、その形状選択性があるかどうかはこれからの実験を行ってみないと分からない。これらの問題点は非常に還元作用の強いコバルトセンを用いなければいけないということである。そのため、機能性分子を空孔内に取り込もうとしたときに機能性分子自体がコバルトセンによって還元されてプラス電荷を持たなくなるものと考えられるので、より穏やかな条件で酸化と還元できるような[Re(Hbim)_3]を構築素子として作られる分子性ゼオライトの合成を検討している。今後、この錯体構築素子の実験を行って同様の取り込み反応を試みる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Tadokoro, T.Shiomi, et al.: "Caesium (I) mediated 3-D super-structures by one-pot self-organization of hydrogen-bonded nickel complexes"Inorganic Chemistry. 40. 5476-5478 (2001)
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[Publications] M.Tadokoro, H.Kanno, et al.: "Self-Organizing Super-Structures Fomed From Hydrogen-Bonded Biimidazolate Metal Complexes"The Proceedings of the National Academy of Sciences. (in press).