2002 Fiscal Year Annual Research Report
全液体コロイド光結晶の創製と超長寿命励起分子化学への展開
Project/Area Number |
13440207
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
中林 誠一郎 埼玉大学, 理学部, 教授 (70180346)
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Keywords | コロイド結晶 / 構造色 / 単分散コロイド / 光結晶 / 磁気微粒子 / 磁気制御 |
Research Abstract |
磁場は、物質と相互作用し、材料に様々な特徴・機能を発現させる。磁場の特徴は、方向性と透過性にあり、本年度では、コロイド結晶^<*1>の構造を磁場によりコントロールし、結晶の持つ光学特性^<*2>を制御する技術の開発を行った。コロイド結晶は、その特異な光学特性を利用して、光の閉じ込め、レーザー発振、低損失導波路など、様々は応用が期待されており、実際の応用という観点から、コロイド結晶の光学特性を磁場によって変調することは非常に重要である。ゾル-ゲル法を用いて、強磁性体微粒子を作成し、さらに、その微粒子をシリカで包んだ強磁性体-シリカ複合粒子(Core-Shell particle)を作成した。次に、その強磁性複合粒子を用いて、3次元-コロイド結晶を組み上げ、その結晶の磁場応答性を検証した。塩化鉄(II)と塩化鉄(III)を含む水溶液を、アンモニア触媒を用いて還元し、単分散のマグヘマイト(γ-Fe_2O_3)粒子を作成した。生成した粒子は、強磁性であり、平均粒径:約20nmであった。ゾル-ゲル法を用いて、強磁性マグヘマイト粒子をシリカで包み込む。マグヘマイト粒子表面をクエン酸で修飾することにより、シリカがマグヘマイト粒子表面に析出させた。複合粒子の粒径・分散性は、核となるマグヘマイト粒子数を調整することにより制御した。合成された複合粒子(Core-Shell particle)のTEM像から、粒子は単分散であり、かつ、ほとんどの粒子が中心にマグヘマイト粒子を内包していることが確認できた。極限まで脱塩された水に、単分散のコロイド粒子を分散させると、コロイド粒子は、表面電荷の静電反発力により、互いを退けあい、粘性により運動量を失いつつ、次第にエネルギー的に最も安定な3次元の格子点を占め、コロイド結晶を組み上げる。合成した強磁性複合粒子(γ-Fe_2O_3-SiO_2 Core-Shell particle)を超純水に分散させたところ、紫の光を強く回折させるコロイド結晶が出来上がった。そのコロイド結晶を磁場(サマリウムコバルト磁石を使用)の中に挿入したとき、コロイド結晶は赤色の光を回折させた。これは、磁場により、コロイド結晶の周期構造が変化し、回折される光の波長が変化した結果であると考えられる。
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[Publications] S.Nakabayasi, et al.: "Optical properties of Self-assembled Cu/Cu_2O"Phys. Chem. Chem. Phys. 4. 127-133 (2002)
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[Publications] S.Nakabayashi et al.: "Synchronization of coupled assemblies of relaxiation"Phys. Rev. E. 65. 0462131-0462139 (2002)
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[Publications] S.Nakabayashi et al.: "Response of relaxiation oscillatory electrochemical"Chem. Phys. Lett.. 362. 461-466 (2002)
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[Publications] S.Nakabayashi et al.: "Optical Second harmonic generation during"J. Phys. Chem. B. 106. 10199-10204 (2002)
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[Publications] S.Nakabayashi et al.: "Non-linear optical properties of oligothiophene"J. Chem. Phys.. 117. 4016-4021 (2002)
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[Publications] S.Nakabayashi: "SBSL dynamics for bubble modified by surfactant"Chem. Phys. Lett.. 79. 362-365 (2002)
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[Publications] 馬場涼, 中林誠一郎: "磁気科学の新展開"アイピーシー. 6 (2002)