2001 Fiscal Year Annual Research Report
無脊椎動物横絞筋の巨大サルコメアを維持する弾性タンパク質
Project/Area Number |
13440248
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木村 澄子 千葉大学, 理学部, 助教授 (50093232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 工作 大学入試センター, センター長 (60012267)
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Keywords | I-コネクチン / 巨大サルコメア / 弾性タンパク質 / PEVK / ザリガニ / タイチン / 横紋筋 / 無脊椎動物 |
Research Abstract |
無脊椎動物であるザリガニのはさみ筋には,静止長が9.3μm,伸びると13μmにおよぶ巨大サルコメアが存在する。そこには脊椎動物(静止長約2.4μm)に存在するコネクチンと似た分子量を持ち同様な働きをする弾性タンパク質が存在し,その弾性でthick filamentをサルコメアの中央に位置させている。なぜ似た分子量で,脊椎動物の4倍もの長さのサルコメアを維持できるのか,が問題になる。本研究では,ザリガニはさみ筋のコネクチン様タンパク質について,その一次構造の違いから巨大サルコメアの構造維持を明らかにしようとしている。 これまでの研究でC末端を含む43.5kbpの配列を決めていたので,WalkingとRT-PCR法によりくり返し配列部分やN末端を明らかにし,その全一次構造17,352残基を決定した。その結果,ザリガニはさみ筋コネクチンのcDNAは52kbpであり,分子量は196万であった。このタンパク質は無脊椎動物(Invertebrate)のコネクチンであることから,I-コネクチンと呼ぶことにした。 この配列を詳細に検討したところ,分子全体の3/4はPEVKまたはsemi-PEVKという弾性機能を持つ可能性のある配列であり,PEVKが10%しかない脊椎動物コネクチンと比べて大きな差であった。 さらに,アミノ酸配列をもとに異なった4カ所に対して抗体を作成し,蛍光抗体法によりサルコメア長と局在の関係を調べた結果,I-コネクチン分子のN端側1/4はZ線付近に存在して伸びることはないのに対し,残りの3/4の部分はサルコメア長と共に伸縮することが示された。
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[Publications] Fukuzawa, A.: "Invertebrate connectin spans as much as 3.5 μm in the giant sarcomeres of crayfish claw muscle"EMBO Journal. 20. 4826-4835 (2001)
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[Publications] Shimamura, J.: "Localization of projectin in several arthropod striated muscles"Zoological Science. 18. 38 (2001)