2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂本 謙二 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00222000)
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Keywords | 液晶 / 光配向 / 光分解反応 / 偏光赤外吸収分光 / 分子配向 / ポリイミド / 光異性化反応 / アゾベンゼン |
Research Abstract |
洗浄処理を行った直線偏光紫外光照射されたポリイミド(CBDA-ODA)膜(表面領域)とその膜上の単分子液晶層の面内分子配向オーダー・パラメーターの関係を調べた。液晶分子の配向を支配しているポリイミド膜の異方性パラメータを明らかにするために、ポリイミド膜に対して2つの面内分子配向オーダー・パラメーターを定義した。一つは分解されずに残っているポリイミド分子鎖の面内配向オーダー・パラメーター(Q_<rm>^<PI>)で、もう一つは光分解による分子数密度の減少を考慮した面内配向オーダー・パラメーター(Q_f^<PI>)である。0から5J/cm^2の紫外光照射エネルギー範囲でQ_f^<PI>が単分子液晶層の面内分子配向オーダー・パラメーター(Q_s^<LC>)と比例関係にあることがわかった(Q_s^<LC>=0.76Q_f^<PI>)。この結果は分解されたポリイミド分子鎖が占有していた領域上に吸着した液晶分子はランダムに配向していることを示唆する。また、ポリイミド膜と単分子液晶層の面内分子配向オーダー・パラメーターの間に比例関係が存在することから、紫外光照射されたポリイミド膜上の液晶分子の配向はポリイミド膜と液晶分子の間の短距離的な相互作用(ファンデアワールス力)によって誘起されていると結論できる。これはラビングされたポリイミド膜上の液晶分子の配向機構と同じである。 また、アゾベンゼンを主鎖に含むポリアミック酸膜に紫外光を照射することによって液晶分子を配向させる実験を今年度からスタートした。この配向法では、アゾベンゼン分子の光異性化反応を利用してポリアミック酸の分子配向を制御する。その後、ポリアミック酸膜をポリイミド膜に焼成し、液晶配向膜とする。今年度は、基板法線方向から直線偏光紫外光を照射したときに起こるポリアミック酸分子の配向変化を明らかにした。また、光照射されたポリアミック酸膜を熱イミド化するときに高分子鎖の配向秩序度の増大が起こることを見いだした。
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Research Products
(1 results)