2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 茂夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 静雄 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (20135536)
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Keywords | 発光ダイナミクス / 有機発光材料 / 白色発光デバイス / 時間分解発光測定 / HOMO-LUMOエネルギー / 分散構造 / エネルギー緩和過程 |
Research Abstract |
1.赤、緑、青色発光材料であるDCM、Alq、PBDを選び、吸収・発光スペクトル、HOMO-LUMOギャップを測定し明らかにした。また、発光ダイナミクス測定のための励起波長、励起強度等の測定条件を確立した。 2.各発光材料を混合した薄膜においては、HOMO-LUMOギャップの大きい材料から小さい材料へと数十〜数psという早い時定数をもったエネルギー緩和が生じることが明らかになった。とくに、PBDからAlqへのエネルギー緩和速度が5ps程度と速く、Alqの濃度が10%程度で緑色発光が完全に主要なものとなることが判明した。また、DCMは濃度が高いと消光が著しく、分散構造を用いることにより赤色発光強度を増す上で望ましいことを見出した。PBDからDCMへのエネルギー緩和時間は数十psであった。 3.上の結果をもとに、PBDを母体としてAlqを5%、DCMを10%程度分散させた薄膜において比較的演色性に優れた白色発光を得ることができた。また、DCMについては、PBDからの緩和とそれより十ps程度遅れたAlqからの緩和が存在することが明らかになった。後者の過程はエネルギー的なロスとなることがわかり、PBDの発光のみによってDCMが励起される新しい構造を考案した。 4.効率の良いエネルギー緩和はHOMO、LUMOそれぞれのエネルギーに関して、無機半導体でいうところのタイプI型構造をとることが不可欠であることがわかり、材料選択の指針を得ることができた。
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Research Products
(1 results)