2002 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブのガス吸着特性の解明と水素貯蔵への応用
Project/Area Number |
13450022
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
齋藤 弥八 三重大学, 工学部, 教授 (90144203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 英樹 三重大学, 工学部, 助手 (40324545)
緒方 啓典 法政大学, 工学部, 講師 (10260027)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 単層ナノチューブ / ガス吸着 / 水素貯蔵 / 吸着等温泉 / 容量法 / 脱離スペクトル |
Research Abstract |
平均直径及び収率の異なる単層カーボンナノチューブ(SWNT)を作製し、未処理のSWNT(as-grown SWNT)及び、アモルファス炭素の除去処理を施したSWNTのガス吸着特性を容量法により調べた。 1.アーク放電法によるSWNTの作製と直径制御 SWNTの平均直径は、触媒金属に含まれる硫黄の濃度により1.2nmから2.3nmまで変化させることができるが、直径の増大と同時に収率が20%から1%まで減少した。 2.as-grown SWNTの窒素および水素ガスの吸着特性 平均直径及び収率の異なるSWNT試料の窒素及び水素の吸着等温線を液体窒素温度(77K)において0から400kPaまでの圧力範囲で容量法により測定した。その結果、細孔表面積は、ナノチューブの収率に対応して,それぞれ90から53m^2/gの範囲で変化したが,外表面積(94から99m^2)はほとんど変化しない事が分かった。また,水素吸着量(0.56wt%から0.50wt%)は,細孔表面積と対応して増減する傾向が見られたが,余り顕著ではなかった。 3.アモルファス炭素の除去処理を施したSWNTのガス吸着特性 アモルファス炭素を除去するための精製処理を施したSWNT試料においては、精製後の細孔表面積(14.134m^2/g)が精製前の細孔表面積(74.560m^2)の約7分の1に減少し、それに伴い水素吸着量も減少した。これは、精製処理により細分されたアモルファス炭素が細孔部分に詰まったためと推測される。CNTへの水素吸着量を実用化レベルとされる6.5wt%まで向上させるには、高純度SWNTの作製、SWNT表面と水素分子との吸着力を高めるための化学修飾などを行う必要があることを本研究は示唆している。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] M.Ichida: "Coulomb Effects on the Fundamental Optical Transition in Semiconducting Single-Walled Carbon Nanotubes : Divergent Behavior in the Small-Diameter Limit"Phys. Rev. B. 65(24). 241407-1-241407-4 (2002)
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[Publications] M.Kociak: "Linking Chiral Indices and Transport Properties of Double Walled Carbon Nanotubes"Phys. Rev. Lett.. 89(15). 155501-1-155501-4 (2002)
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[Publications] Y.Saito: "Growth Conditions of Double-Walled Carbon Nanotubes in Arc Discharge"J. Phys. Chem. B. 107(4). 931-934 (2003)
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[Publications] K.Hata: "Field emission from multiwall carbon nanotubes in controlled ambient gases, H_2,CO,N_2 and O_2"Ultramicroscopy. 95. 107-112 (2003)
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[Publications] 齋藤弥八: "驚異の新素材,カーボンナノチューブ"まてりあ. 41. 813 (2002)
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[Publications] 緒方啓典: "夢の新素材「カーボンナノチューブ」"かがやき. 14. 27-30 (2002)
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[Publications] 日本セラミックス協会編: "セラミック工学ハンドブック(第2版)"技報堂出版. 250 (2002)
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[Publications] 平尾 一之編: "化学フロンティア7「ナノマテリアル最前線」"化学同人. 207 (2002)
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[Publications] 川合 知二監修: "図解 ナノテク活用技術のすべて"工業調査会. 298 (2002)
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[Publications] 技術情報協会編: "カーボンナノチューブの合成・評価,実用化とナノ分散・配合制御技術"技術情報協会. 312 (2003)
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[Publications] E.Yasuda 編・著: "Carbon Alloys"Elsevier Science. 569 (2003)