2001 Fiscal Year Annual Research Report
分極反転光素子をめざした強誘電ドメイン制御に関する研究
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13450031
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
栗村 直 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主任研究員 (10287964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平等 拓範 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (50216595)
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Keywords | 擬似位相整合 / ニオブ酸リチウム / 核成長 / ドメイン / 分極反転 / 電界印加 / 波長変換 / QPM |
Research Abstract |
13年度には、電界印加による分極反転過程を二次元で実時間観察するシステムを構築し、反転過程のモニターを行ってきた。分極反転の均一性は核成長密度の高さで決まるが、従来は電界を印加した際に流れる電流をモニターして分極反転の終了時点を決定しているため主に分域壁の移動をモニターしていた。このため核成長が不均一に起こる場合には面内で反転過剰、反転不足の領域が混在し、特に短周期の分極反転ではこれが顕著であった。我々は分域壁の移動速度を実時間観察システムにより評価することで電界依存性を測定し、従来より低い印加電界19kV/mmでは分域壁の移動が起こらずに選択的に核成長を起こせることを見いだした。このため十分な核成長密度の増加を待って分域壁の移動に移行することができ、電界印加領域をほぼ同時に反転させることができる。またこの核成長密度は電界印加条件に著しい依存性を示すことがわかった。周期19μmでレジストをパターニングし、全電界印加時間が等しくなるようにパルス幅と印加回数を反比例の関係にした電界を印加した結果、核成長密度の反転領域面積に対する分布に違いがみられ、1s幅1000回印加では他の条件より小さいドメインが多く分布していることがわかった。今回調査した核成長条件では、1s幅1000回印加の場合が最も核成長密度が高く、全面同時に分極反転させる条件として最も望ましいと考えられる。核成長過程で十分な核密度を得たニオブ酸リチウム結晶に電界値21kV/mm、パルス幅20msecの電界パルスを与えると、面内に分散した核から分域壁が進行し、液体電極の接触している部分全体が同時に分極反転する。ここで顕著な分域壁の拡大は見られず、また境界面は平滑で、-Z面にも周期的な分極反転パターンが形成された。この方法は異なる周期のパターンや他の強誘電体材料の分極反転においても適用可能性を有する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 栗村直, 北村健二, 阿久津剛史, 関秀一, 丸山真幸, 中島啓幾 他: "LiNbO_3の分極反転における選択的核成長法I 動機とその背景"第49回応用物理学関係連合講演会予稿集. 3. 1164 (2002)
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[Publications] 阿久津剛史, 関秀一, 丸山真幸, 中島啓幾, 栗村直 他: "LiNbO_3の分極反転における選択的核成長法II 〜選択的核成長法による周期分極反転〜"第49回応用物理学関係連合講演会予稿集. 3. 1164 (2001)
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[Publications] 丸山真幸, 阿久津剛史, 関秀一, 中島啓幾, 栗村直 他: "LiNbO_3の分極反転における選択的核成長法II 〜核成長密度の粒子解析による定量化〜"第49回応用物理学関係連合講演会予稿集. 3. 1164 (2001)
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[Publications] 石月秀貴, 栗村直 他: "3mm厚MgO : LiNbO_3結晶の実時間観察による分極反転特性評価"第49回応用物理学関係連合講演会予稿集. 3. 1167 (2001)