2001 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・メゾスケール域の解析および観察による下限界近傍の高温疲労き裂進展の解明
Project/Area Number |
13450048
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 昌宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10132630)
阪上 隆英 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50192589)
|
Keywords | 高温疲労 / 疲労き裂伝ぱ / 下限界 / 分子動力学 / シミュレーション / 破壊力学 |
Research Abstract |
本研究では、高温における下限界近傍の疲労き裂進展挙動の把握と下限界のメカニズムと密接に関連するものとみられるナノおよびメゾスケールの構造に着目し、下限界近傍の疲労き裂進展と下限界挙動に関して、分子動力学を用いたナノスケール解析とともに、マクロスケールの実験とメゾスケールの観察よりアプローチする。 平成13年度に得られた主な研究成果は、以下の通りである。 1. 大気中および真空条件下の下限界近傍および下限界以上の領域における高温疲労き裂伝ぱ実験を、ステンレス鋼SUS304に対して行った。環境、温度および繰返し速度が高温疲労き裂伝ぱ速度da/dNおよび疲労き裂伝ぱ下限界値に及ぼす影響を明らかにした。環境の影響によりき裂伝ぱ速度da/dNが高くなり、き裂伝ぱ抵抗が低下していることが明らかとなった。経年劣化材およびNi基超合金を対しても疲労き裂の伝ぱ実験を行い、下限界近傍の疲労き裂の伝ぱ特性を明らかにした。 2. 下限界近傍における高温疲労き裂先端の近傍に対してメゾスケール観察を行った。き裂の先端において生じたすべり、塑性変形と、き裂の進展との関連について調べた。 3. 分子動力学法を用いて、鉄における下限界近傍の疲労き裂伝ぱのナノスケールシミュレーションを行った。き裂の成長を表現するため、き裂成長量の考慮、原子間相互作用力の低下を考慮した計算手法を導入した。結晶方位が疲労き裂伝ぱ挙動と伝ぱ速度に及ぼす影響を調べた。結晶粒界の構造、大角粒界と称角粒界の違いがき裂伝ぱ特性に及ぼす影響を調べた。
|