2002 Fiscal Year Annual Research Report
ニアコンタクトスライダの動的接触現象の解析と最適設計条件
Project/Area Number |
13450063
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 京右 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40152524)
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Keywords | 磁気ディスク記録装置 / ニアコンタクトスライダ / 高速動的接触振動現象 / 自励振動 / 接触特性 / 安定浮上特性 / 摩擦力 / 吸着力 |
Research Abstract |
1.ニアコンタクト領域におけるスライダの動的接触挙動の計測および動的接触シミュレーション解析 スライダ吸着接触時に生じる跳躍現象の特徴と原因を明らかにするために,実験により現象を測定し,接触跳躍現象の特徴を調べ,また粗さ接触と潤滑剤の吸着力を考慮した接触特性をスライダ解析モデルに組み入れ解析した.その結果,接触跳躍振動の測定から,跳躍振動時のスライダ後端の時刻歴応答は,周期的な振動をしており,その周波数スペクトルには一定周期毎に卓越したピークが見られることを明らかにした.また解析から,接触跳躍振動現象は本研究で用いた解析モデルで把握することができ,跳躍振動は摩擦力と吸着力に起因するスライダの自励振動であること,周波数スペクトルの卓越したピークの基本周波数はスライダの前側が大きく振れるモードであること,ニアコンタクト領域で安定浮上特性を満たすためには,空気膜剛性を高めること,吸着力および摩擦係数を小さくすることが重要であることを明らかにした. 2.スライダ・ディスク間の等価接触剛性・減衰の同定とモデル化 接触剛性・減衰に及ぼす潤滑膜厚,スライダ荷重および突入速度の影響を明らかにするために,球面模擬スライダを静止したディスク面に衝突させ,スライダ跳躍現象を測定し,解析結果とカーブフィットすることにより,ヘッド・ディスクの動的接触時の等価的な接触剛性/減衰を推定した.その結果,スライダがディスクに押し込む過程と,スライダがディスクから離れる過程での接触減衰を分離して考えることにより,実験データとシミュレーションがよく一致すること,算出した接触剛性値はヘルツの弾性接触理論値とほぼ一致していること,減衰係数はスライダがディスクに押し込む過程より離れる過程の方が10倍以上大きいこと,接触荷重・潤滑膜厚・衝突速度の接触減衰におよぼす影響は小さいことを明らかにした.
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[Publications] 小野 京右: "ヘッドスライダのディスク表面うねりに対する追従特性と最適設計指針"日本機械学会論文集(C編). 68巻670号. 1805-1813 (2002)
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[Publications] Masami Yamane: "Analysis of Tracking Characteristics and Optimum Design of Tri-Pad Slider to Micro-Waviness"Trans.ASME Journal of Tribology. Vol.125. 152-161 (2003)
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[Publications] Huichen Zhang: "Molecular dynamics study of dynamic contact and separation between tip and disk surface"Tribology International. Vol.39. 361-365 (2003)
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[Publications] Kohei Iida: "Design Consideration of Contact/Near-Contact Sliders Based on a Rough Surface Contact Model"Trans.ASME Journal of Tribology. (掲載決定).