2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450076
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 教安 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30124069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 剛宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40252621)
保田 和則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80239756)
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Keywords | 複雑流体 / コーティング膜 / 液晶高分子 / 高分子溶液 / 配向膜 / 引き上げコーティング / ガス浸透 |
Research Abstract |
複雑流体のコーティング膜作成時の流動現象および膜特性と流体のレオロジー特性との関係を実験および数値シミュレーションにより調べた.ヒドロキシプロピールセルロース水溶液の等方相溶液を用いて,高分子液晶のコーティング膜を成形し,その上で低分子液晶が平行配向することを確認した.そこで,Doiモデルを用いてコーティング流れの数値シミュレーションを行い,コーティング膜表面上で高分子液晶の分子が膜表面と平行に配向し,乾燥時に固定化されることを見出した.さらに,コーティング膜には種々のテクスチャーが見られたので,高分子液晶の流れおよび緩和時に出現するテクスチャーを実験により検討した.単純せん断流れにおけるテクスチャーを調べるために,冷却・加熱せん断装置を用いて,偏光顕微鏡下での観察を行った.その結果,流動中の縞状テクスチャー,緩和時のバンドテクスチャーならびに粗い縞状テクスチャーを観察し,溶液温度,せん断速度,ギャップの大きさなどの影響を解析した.また,平行平板間スリット流れにおける波状テクスチャーの構造と発生原因を,スタートアップ流れの実験により調べ,波状テクスチャーに関する有益な知見を得た.また,高分子流体については引き上げコーティングの実験を行い,板状および円柱形状の物体表面に形成される液膜厚さと流体のレオロジー特性および引き上げ速度の関係を調べた.その結果,せん段粘度のシアシニング性により引き上げ速度の増加に対する膜厚の増加率がニュートン流体の場合よりも小さくなることが分かった.さらに,ガス浸透による高分子流体の円管内コーティングに関する実験を行い,流体のシアシニング粘性は膜厚の減少に,弾性特性は膜厚の増大に寄与することが分かった.
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[Publications] Noriyasu MORI, Hidetoshi AKASHI, Kiyoji NAKAMURA: "Flow-Induced Molecular Orientation in Coating Flow of Concentrated Solution of Rod-Like Polymers and Its Application to Alignment Layer"JSME International Journal, Series B. 45(1). 158-163 (2002)
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[Publications] N.Mori, M.Shindo, K.Nakamura: "Development of wavy texture in startup flows of liquid crystalline polymer solution through a slit cell"Journal of Rheology. 46(4). 881-890 (2002)