2002 Fiscal Year Annual Research Report
滑り/転がり接触を許容した地持操り技能を有する多指メカニカルハンドシステムの開発
Project/Area Number |
13450103
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 恒夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (60026177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 穰 京都大学, 工学研究科, 助手 (50026100)
横小路 泰義 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30202394)
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Keywords | ロボットハンド / 多指ハンド / 把持 / 滑り / 滑り接触 / 転がり接触 / 技能 |
Research Abstract |
本研究は,メカニカルハンドによる物体の把持および操りにおいて,ハンドの指と物体間の滑りおよび転がりを許容し,さらにはそれらを積極的に利用することによって,高度な技能を有する多指ハンドシステムを開発することを目的とする.このようなハンドがまだ実現していない理由として,指先力の合理的で簡単な決定方法の欠如,異なる物体把持形態間の移行計画法の欠如,視覚情報の利用の不足,などが挙げられる.これらの問題点を解決するために以下の課題を設定した.(1)指先力間の内力成分の物理モデルとして申請者らが提案する「仮想トラスモデル」を用いることによって把持操りのための位置と力の動的ハイブリッド制御則を,滑りおよび転がりを許容する一般的な枠組みのもとに導出する.(2)「能動的把握および受動的把握」の概念を用いて、種々の把持形態を明確に記述し,それらの間の移行計画手法を開発する.(3)ハンドに取り付けた力センサから得られる力情報と,ビデオカメラなどから得られる位置情報に基づく「位置/力統合型技能生成アルゴリズム」を開発し,「多指ハンド・アーム実験システム」を構成してその有効性を実験的に検証する. 本年度の研究成果の概要は以下の通りである.(1)多指ハンドによる複数対象物の把持は人間の場合よく見られる把持形態の一つであるが,これをロボットハンドに行わせる場合を想定して,複数対象物に対するパワーグラスプの最適化の新たな手法を提案した.(2)2本指操作のための6自由度指先装着型力覚提示装置を開発した.これを用いて人間の2本指操作における技能を観察し解析することを目ざしている.(3)ロボットによる対象物の知覚機能を向上させるため,ロボット手先における位置と力の情報からロボットのインピーダンス知覚を実現する方法を提案し,実験によりその有効性を確認した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tsuneo Yoshikawa: "Stable Haptic Display Based on Coupling Impedance for Internal and External Forces"Transactions on Control, Automation and Systems Engineering. 4・1. 2-8 (2002)
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[Publications] 吉川 恒夫: "複数対象物に対するパワーグラスプの最適化"日本機械学会論文集. 68・668. 1223-1230 (2002)
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[Publications] 吉川 恒夫: "2本指操作のための6自由度指先装着型力覚提示装置の開発"日本ロボット学会誌. 20・8. 893-899 (2002)
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[Publications] Tsuneo Yoshikawa: "Controllability of Under-Actuated Planar Manipulators with One Unactuated Joint"The International Journal of Robotics Research. 21・5-6. 555-561 (2002)
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[Publications] 吉川 恒夫: "ロボットのためのインピーダンス知覚"日本ロボット学会誌. 21・1. 103-108 (2003)
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[Publications] 横小路泰義: "動作者の視点からのカメラ画像によるモーションキャプチャとロボット作業教示への応用"情報処理学会論文誌:コンピュータビジョンとイメージメディア. 43・SIG4. 105-116 (2002)