圧電マイクロアクチュエータを用いた超小型光クロスコネクトシステムの研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13450105
• Research Institution: Kagawa University
• Principal Investigator: 大平 文和 香川大学, 工学部, 教授 (80325315)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 石丸 伊知郎 香川大学, 工学部, 助教授 (70325322) ; 橋口 原 香川大学, 工学部, 助教授 (70314903) ; 三原 豊 香川大学, 工学部, 教授 (50314901) ; 春日 政雄 セイコーインスツルメンツ(株)NSI推進室, 部長
• Keywords: 光通信システム / 光クロスコネクトシステム / マイクロアクチュエータ / マイクロマシン / 光スイッチ / 光結合損失 / マクロミラー / アレーファイバ

Research Abstract

本研究は、将来の高速・大容量光通信システムにおいて必須となる超小型光クロスコネクトシステムの実現に向けた基本技術の確立を目的とする。今年度は下記の研究を遂行し実績をあげた。
1.システム構成法:ファイバ間の光結合を空間媒体で行う「空間型」、制御デバイスを少なく出来る「非マトリクス構成」を前提として、2次元アレーファイバを用いた対向型の高密度実装構成法を具体化した。
2.超音波アクチュエータによる構成:前年度に提案した超音波モータを用いるスイッチ構成法として、(1)レンズ駆動方式と、(2)反射ミラー駆動方式の2案を具体化した。いずれの方式でも、超音波モータの特徴である、自己保持性、低消費電力、任意角度制御性の特徴を持ち、従来の課題を解決できる。
3.試作、実験、評価:上記2方式につき、光学的、機械的特性の設計シミュレーション、およびプロトモデルの製作を行った。(1)では、セルフォックレンズを用いたファイバ間の2×2規模の光結合構成を構築した。結合効率が最適となるレンズとファイバのギャップや、レンズ間の伝播距離等をパラメータとして結合効率をシミュレーションした。1ミクロン精度でレンズを駆動することにより、本構成で光のスイッチングが可能であり、その結合損失も数dB以内にできることを確認した。(2)では、反射ミラーを半導体シリコンプロセスで製作し、この裏面に永久磁石を設置し、これに対向させた超音波モータ軸上の永久磁石により、モータの回転に従いミラーを任意の角度に位置決め制御できることを確認した。2×2規模のスイッチを構成し、光の繰り返しスイッチングを行なった。その結果、再現性良く切替が可能であり、その結合効率のばらつきも小さいことを明らかにした。
以上のように、圧電マイクロアクチュエータを用いた超小型光クロスコネクトシステムの実現に向けて所期の目標である基本技術を確立できた。

Research Products

• [Publications] 岩瀬充洋, 大平文和, 他: "自己保持機能を有する光クロスコネクトスイッチの研究(第3報)-レンズ駆動方式による光スイッチ特性-"2003年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 578 (2003)
• [Publications] 松井崇, 大平文和, 他: "自己保持機能を有する光クロスコネクトスイッチの研究(第4報)-反射ミラー駆動方式による光スイッチ特性-"2003年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 579 (2003)
• [Publications] 松井崇, 大平文和, 他: "自己保持機能を有する光クロスコネクトスイッチの研究(第5報)-反射ミラー駆動方式による2×2光スッチの特性-"2004年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. 1123-1124 (2004)
• [Publications] 細木真保, 大平文和, 他: "自己保持機能を有する光クロスコネクトスイッチの研究(第6報)-ミラー用磁性膜形成技術-"2004年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. 1125-1126 (2004)
• [Publications] F.Oohira, M.Iwase, et al.: "Self-hold, precisely controllable and low power consumption optical cross-connect switch using ultrasonic micro motors"Proceedings of International Conference on Optical MEMS. 147-148 (2003)