2001 Fiscal Year Annual Research Report
バルク超電導体の磁界整形機能を利用した高性能磁気軸受の研究
Project/Area Number |
13450109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大崎 博之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (10203754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 穣 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00011180)
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Keywords | 超伝導 / 磁気軸受 / バルク超伝導体 / 磁界整形 / 磁束ピンニング / 回転損失 |
Research Abstract |
本研究は,バルク超電導体の磁界整形作用を利用した超電導磁気軸受の静的および動的な基本特性の詳細を、磁界解析と小形試験装置による測定を通じて明らかにし,大形高速回転機の超低損失軸受としての応用可能性と,さらなる特性向上の可能性を検討することを目的としている。今年度は2年間の研究期間の初年度として以下の内容の研究を実施した。 1.数値電磁界解析により超電導磁気軸受の特性解析を実施した。まず,バルク超電導体を理想的な磁気遮蔽材と仮定して,汎用の電磁界解析ソフトウェアを用いて電磁力特性等を解析し,軸受を構成する各要素の寸法パラメータとの関係を調べた。また,バルク超電導体の臨界電流密度特性などの超電導特性を考慮した磁気軸受特性解析を行うための解析プログラムを開発した。 2.超電導磁気軸受の小形実験装置を設計,製作した。1.で実施した数値解析結果とハードウェア上の制約条件を考慮して,実験装置を設計した。本装置は,Bi2223超電導線材を用いた磁界発生用コイル,磁界整形用Y系リング状バルク超電導体,および鉄(回転体側)を基本構成要素する。Bi2223超電導コイルとY系バルク超電導体はGM冷凍機により直接伝導冷却され,コイル中心の最大磁束密度は約0.8Tである。 3.2年度目に実施する詳細な電磁特性測定に先立ち,本年度は,超電導磁気軸受小形実験装置の基本特性試験として,冷却特性,Bi係高温超電導コイルの励磁特性,Y系バルク超電導体の磁界整形(磁気遮蔽)特性,特に分割構造の磁気遮蔽特性への影響,電磁力の基本特性を測定し,問題等が全くなく,ほぼ所要の性能が得られていることを確認した。温度依存性については2年度目に実施することにした。
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