2004 Fiscal Year Annual Research Report
六方晶系ワイドギャップ化合物半導体の極性制御による光電子物性の飛躍的改善の研究
Project/Area Number |
13450121
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉川 明彦 千葉大学, 工学部, 教授 (20016603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石谷 善博 千葉大学, 工学部, 助教授 (60291481)
崔 成伯 千葉大学, 工学部, 助手 (00361410)
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Keywords | III-V族窒化物 / エピタキシー / 結晶極性 / ワイドギャップ化合物半導体 / 窒化カリウム / 窒化アルミニュウム / 酸化亜鉛 / 分子線エピタキシー |
Research Abstract |
本年は、本研究の最終年度として、InNをベースとした光・電子デバイス構造実現へのステップとして、N極性における高In組成のInGaNおよびAlInN三元混晶のエピタキシ制御とInNをベースとした多重量子井戸(MQW)の検討を進めた。また、大きな格子不整合に起因するヘテロ界面での転位や欠陥の影響を避けうる構造として、量子ドット構造の形成についての検討も進めた。 (1)InNをベースとした三元混晶作製:InGaN及びAlInNエピタキシをN極性にて成膜することにより、全In組成域での成膜が可能となった。特にAlInNについては、世界で初めて広い組成領域でのエピ膜が得られ、この混晶系でのボーイングパラメータが約3.8eVと従来報告値より大きいことを明らかにした。 (2)InNをベースとしたMQWの作製:まずInN/GaN系でのMQW作製を検討した。N極性での高い成膜温度実現により、MQW構造は形成できたが約16%の大きな格子不整合に起因し、X線サテライトピークの観察は不可能であった。一方、障壁層をInGaNおよびInAlNとすることは格子不整合軽減にきわめて効果的であり、断面TEMおよびHR-XRD評価で高品質のMQW実現を確認した。特にAlInNは大きな伝導帯不連続を保ちながら格子不整合低減を可能とするものであることを示した。 (3)InNドットの作製:N極性でのInN量子ドット作製に初めて成功し、その形成機構を詳しく検討した。 以上より、窒化物系化合物半導体のエピタキシ制御と物性制御において、結晶極性制御がきわめて重要であることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)