2001 Fiscal Year Annual Research Report
積層フェリ磁性膜の微細加工と高密度記憶素子への応用
Project/Area Number |
13450126
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
綱島 滋 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80023323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 剛志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50303665)
岩田 聡 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (60151742)
丹司 敬義 名古屋大学, 理工学総合研究センター, 助教授 (90125609)
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Keywords | スピン偏極電気伝導 / スピントンネル接合 / 反強磁性膜 / スピンバルブ / ブロッキング温度 / 交換異方性 / 磁気固体メモリ |
Research Abstract |
本年度は,スパッタリング成膜装置と真空一貫で連結した集束イオンビーム加工装置を利用した磁性薄膜の微細加工とその磁区構造の観察を行なうとともに,X線顕微鏡を利用した微小磁区観察に取り組み,下記の結果を得た。 (1)ビーム径約100nmのGaイオンビームを利用して磁性薄膜を正方形および円形に微細加工を行い,磁気力顕微鏡(MFM)により磁区構造を観察した。NiFe単層膜は,膜厚が10nm以下の場合には,全く磁区が観察されなかった。これは,単磁区構造を取っているためか,MFMの分解能以下の磁区構造を取っているためと考えられるが,詳細は今のところ不明である。膜厚が15nmを越えた場合には,還流型の磁区構造を取っていることがMFM像から明瞭に観察された。NiFe/MnIr交換結合膜の場合にも,同様な還流型の磁区構造が観察され,反強磁性層の存在による大幅な磁区構造の変化は見られかった。ただ,NiFe層が20nm以下で,MnIr層が20nmの場合には,3μm角の磁性体の磁区は,磁界を加えることによって,還流型から多磁区構造へと変化した。交換異方性を示すような積層順の膜についても現在,検討を進めている。 (2)どの程度微小な磁区が安定に存在しうるかを調べるため,磁界変調によって記録した光磁気記録の微小な磁区をX線顕微鏡によって観察した。記録磁区の幅を1μmから,0.05μmまで変化させて記録した磁性膜を基板より剥して観察したところ,0.1μまでは,きれいな磁区パターンが記録されていることが分かった。0.05μmの場合には,周期構造は確認できるものの,パターンに乱れが観察された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T.Takahashi: "Exchange anisotropy in NiFe/NiO/CoPt trilayers"Surface Science. Vol.493. 731-736 (2001)
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[Publications] N.Hashida: "Simulation of thermomagnetic recording using extended Huth's equation"J. Magn. Soc. Jpn.. vol.25. 303-306 (2001)
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[Publications] K.Sugihara: "Structure and magnetic properties of epitaxial CrPt_3 and Cr_<0.8>Mn_<0.2>Pt_3 alloy films"J. Magn. Soc. Jpn.. vol.25. 234-237 (2001)
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[Publications] T.Kato: "Magnetic properties of polycrystalline and epitaxial Cr_<1-x>Mn_xPt_3 alloy films"IEEE Trans. Magn.. Vol.37. 2414-2416 (2001)
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[Publications] 高橋小弥太: "後方拡大型光磁気記録媒体における磁区拡大再生の機構"日本応用磁気学会誌. Vol.25 No.4-2. 663-666 (2001)
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[Publications] N.Katagi: "Observation of Thermomagnetically Recorded Magnetic Domains in TbFeCo Films with Soft X-Ray Microscopy"Jpn. J. Appl. Phys.. vol.40 No.4B. L380-L382 (2001)
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[Publications] K.Takahashi: "Influence of Groove Shape on Rear Expansion Detection Readout"Jpn. J. Appl. Phys.. vol.40 No.3B. 1590-1591 (2001)
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[Publications] P.Fischer: "High Resolution Imaging of Magnetic Domains with Magnetic Soft X-ray Microscopy"J. Magn. Soc. Jpn.. vol.25, No3-2. 186-191 (2001)