2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450151
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬崎 薫 東京大学, 空間情報科学研究センター, 助教授 (10216541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 邦紀 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40292750)
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Keywords | パケットロス / 遅延 / 触覚 / FEC / 階層的伝送 / ネットワーク遅延 / コラボレーション |
Research Abstract |
音声・画像メディアに継ぐ新たなメディアとして力覚(触覚)が、特に共有仮想空間(SVE : Shared Virtual Environments)上でのコラボレーションを行うための新たなインタフェースとして注目を浴び始めている。しかしながら現実のネットワークでは、帯域の制限、無視し得ない遅延、パケットの欠落が生じるため、これらに対する対策を施さない限りは、力覚を用いたコラボレーションアプリケーションを円滑に動作させることは不可能であるため、これらに対する対策は必須である。本年度は、主にパケットロス対策に焦点をあてた研究を行った。 例えば仮想環境上の物体とポインタが等速度運動をしながら接触している状況では力覚ベクトルも一定値であることが予想されるため、この力覚情報が欠落しても受信側でほぼ正確にこれを推定できる。一方、物体とポインタが衝突した瞬間には、反力が生じるが、この情報は予測不可能でありまた重要な情報である。このように、力覚情報には同一ストリームのパケットであっても情報の重要度に差異がある。そこで、重要なパケットにのみ選択的にFECやパケット再送、パケットの2重送信等の各種のパケットロス対策を施すことにより、ネットワークのスループットを確保しつつパケットロスを抑えることを試みた。また画像等の伝送で用いられる階層的な符号化の概念を導入し、その有効性をシミュレーションにより実証した。 また、あわせてネットワークの遅延・パケットロス特性を把握することそのものが効率的な力覚伝送につながることから、インターネット遅延の正確な測定とモデル化の検討を平行しておこなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 兼安祐介: "共有仮想空間における情報伝送方法について"電子情報通信学会技術研究報告[情報ネットワーク]. IN2002-44 (2002)
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[Publications] 兼安祐介: "共有仮想空間における情報伝送方法について"電子情報通信学会ソサイエティ大会. B-7-65 (2002)
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[Publications] 引地 謙治: "触覚を含む仮想空間共有システムにおける伝送情報量削減手法の検討"電子情報通信学会ソサエティ大会. B-11-10 (2002)
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[Publications] N.Thepvilojanapong: "One-way Delay Measurement and Bottleneck Bandwidth Estimation"情報処理学会マルチメディア通信と分散処理(DPS)ワークショップ. (2002)
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[Publications] 兼安祐介: "共有仮想空間における情報伝送方法について"電子情報通信学会総合大会. B-7-73 (2003)
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[Publications] N.Thepvilojanapong: "Detection of Multiple Bottleneck Bandwidth"The 17th International Conference on Advanced Information Networking and Applications (AINA). (2003)