2003 Fiscal Year Annual Research Report
無線信号直接ディジタル化に基づく超広帯域超高感度無線受信機に関する研究
Project/Area Number |
13450155
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤巻 朗 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20183931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真澄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00203258)
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Keywords | ソフトウェア無線 / 高温超伝導体 / フィルタ / ジョセフソン接合 / ランプエッジ型接合 / ばらつき / 集積技術 / 超伝導コンタクト |
Research Abstract |
本研究は超伝導技術に基づく受信機フロントエンドを開発し,広帯域幅および高感度性の実証を目指すものである。本年度得られた知見を以下に示す。 1.集中定数型アナログフィルタの検討: 超伝導薄膜を用いたアナログコンポーネントのうち,小型化が可能な集中定数型フィルタの設計を行った。シミュレーションにより設計した,中心周波数6GHz,帯域幅200MHzまでの3段のバンドパスフィルタについて,前年度に試作したフィルタの特性がシミュレーションとやや異なる点について,改善方法を検討した。 2.高温超伝導ディジタル回路用ランプエッジ型ジョセフソン接合の特性ばらつきの原因検討: ディジタル回路集積化のために必要な接合特性のばらつき低減に向けその発生原因の検討を行った。下部電層厚が異なる接合の特性比較より,障壁層厚が均一ではなく,ランプの下部へ行くほど薄くなっていることが示唆された。これは接合特性が障壁層の薄いランプ下部のみで決まることを示しており,実効的な接合面積が小さいことになり,ばらつきが大きく現れる原因になると考えられる。また,超伝導薄膜の組成が膜厚方向に変化していることが指摘され,これも特性ばらつきの一因と考えられた。これらの結果を受け,その対策を検討した。 3.高温超伝導回路集積技術の検討: 集積化の際に必要となる超伝導層と絶縁層の多層化,および超伝導コンタクトについて検討した。超伝導コンタクトは臨界電流が数十〜100mA程度であり,これは超伝導回路に用いる接合に要求される臨界電流より2桁程度大きく,コンタクトとして十分なものが得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masumi Inoue: "Simulation Study on the Mechanical Tuning of High-T_c Superconducting Microwave Filters"IEEE Trans.Appl.Supercond.. 13(2). 704-707 (2003)
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[Publications] Shigeki Hontsu: "Study of Mechanically Tunable Superconducting Microwave Filter Using Lumped Elememnts"IEEE Trans.Appl.Supercond.. 13(2). 720-723 (2003)