Research Abstract |
1.音による画像呈示 (1)呈示画素数 画素数,すなわち音の表示数が5を超えると(人間が短期記憶できる数,7±2に対応していると考えられる),知覚率が急に低下していることがわかった.この結果により,呈示音数として4以下を採用した. (2)呈示画素パターン 1×1呈示と2×2呈示とを比較した.その結果,知覚時間については,音呈示方法間で有意差はなかった.一方,知覚した図形の評価については,2×2呈示の方が有意に有効であることがわかり,これを採用した. 2.指先位置感覚 タッチパネルを用いた基礎実験の結果,指先位置の知覚の誤差の標準偏差は,水平方向,垂直方向でそれぞれ,σ_x=1.2mm,σ_y=1.7mmであり,両者の平均はσ=1.5mmであった.約3σに相当する5mmを指先位置知覚の相対的解像度とみなし,この値に対応する画素間隔,17画素(5.1mm)を最適呈示画素間隔として設定した. 3.学習効果実験 最も学習効果が現れ易い実験の1セット目と4セット目の2つのデータについて検定を行った結果,知覚時間は両セット間で有意差ありと認められた. 4.辺長,コーナー数と知覚時間との関係 凹も含む多角形による実験により,Y=0.000474・l_s+0.164・n_cなる回帰式を算出した.ここで,Y:規格化知覚時間[S],l_s:図形の周囲辺のうち,斜め線の長さの合計[画素],n_c:図形のコーナー数(辺の数)である.規格化知覚時間とは,被験者毎に規格化したものであり,個々の知覚時間を平均知覚時間で除算した値である.なお,縦,横線の長さは,他の要因に比べると影響度は小さく,今回のデータでは有意に関係付けることはできなかった.
|