2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロダイン周波数変換を利用した室内・原位置岩盤透水計測法の検討・評価について
Project/Area Number |
13450193
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大西 有三 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026348)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 哲 京都大学, 工学研究科, 助手 (00324658)
大津 宏泰 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40293881)
|
Keywords | 岩盤透水特性 / 岩石の一面せん断試験 / 岩盤の不連続面 / ヘテロダイン周波数 / 垂直剛性一定試験 / ラフネス形状 / 原位置透水試験 / 低動水勾配 |
Research Abstract |
本年度は室内での岩盤透水係数の計測法について研究を行い,次のような特徴を有する一面透水せん断試験機の開発を行い,不連続面を有する岩石の変形挙動と透水特性の相関特性を把握することのできる室内実験を可能にした. ・垂直剛性一定下でせん断試験を行える自動コントロールを有するサーボ機構を備えたせん断試験機の開発 不連続面をもつ岩石試料の強度手数を求める場合,それは不連続面のラフネスの大きさや形状に影響される.そのため,同一強度をもった供試体を多数用意する必要があるが,天然の岩盤でそれを用意することは不可能である.そこで,試験中にせん断強度がピークに達すると同時に,自動的に垂直応力を増加する機構を開発し,同一の不連続面をもつ供試体を多数用意することなく,1つの供試体で強度定数を求めることを可能にした. ・透水特性の計測と一面せん断試験を同時に行える試験機の開発 不連続面を有する岩石試験の一面せん断を行いながら,不連続面の透水特性を求めることは従来までは困難であった.しかし,本研究では遮水機構の開発を行い,不連続面に対して平行に水を流す機構を実現させ,さらにその試験が自然の状態に近い低動水勾配の状態で行える機構の開発を行った.これにより,岩盤の透水特性に影響を与える不連続面の特性を,当該岩盤の変形挙動と相関させながら把握することを可能にした. これらの成果により,岩盤の透水特性を決定する因子に関しての基礎実験を行い,そのメカニズムを明らかにすることを可能にした.また,ヘテロダイン周波数特性を利用した原位置透水試験を行うための試験条件設定を,あらかじめ室内試験によって見出すことを可能にした.来年度は,本年度に開発した試験機にヘテロダイン周波数変換機能を組み込み,室内高精度透水試験とせん断を同時に行う試験を可能にし,その原理を原位置試験にも適用する予定である.
|
-
[Publications] 矢野隆夫, 青木一男, 大西有三, 大津宏康, 西山哲, 高木克実: "岩盤不連続面のラフネス係数の簡易推定法とせん断強度式への適用性について"第11回岩の力学国内シンポジウム. E03 (2002)
-
[Publications] 大西有三, 大津宏康, 矢野隆夫, 高木克実: "岩盤不連続面のラフネス係数の簡易推定法"第36回地盤工学研究発表会講演概要集. 579-580 (2001)
-
[Publications] 矢野隆夫, 青木一男, 大西有三, 大津宏康, 高木克実: "ラフネスの異方性を考慮した岩盤不連続面のせん断強度式"土木学会第56回年次学術講演会講演概要集. 538-539 (2001)