2003 Fiscal Year Annual Research Report
河道堆積物の生成機構を考慮した土砂流出予測法に関する研究
Project/Area Number |
13450205
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
江頭 進治 立命館大学, 理工学部, 教授 (00027286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 邦明 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (00263492)
WELLS John C. 立命館大学, 理工学部, 助教授 (60301644)
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Keywords | 土砂生産 / 土砂流出 / 土石流 / Wash-load / 浮遊砂 / 掃流砂 / 土砂流出予測法 |
Research Abstract |
本年度は当該科学研究費交付の最終年度であり、1.山腹崩壊個数密度と土石流への遷移率、2.崩壊・土石流の発生に伴う河道堆積物の生成モデル、および3,土砂流出モデルの構築と適用に関する研究について、当初の計画に従って研究を推進し、次のような成果が得られた。 課題1については、崩壊発生の主要因である表面流・中間流に着目し、その形成率と形成時間の積から作られる特性時間を導入して、降雨に伴う崩壊個数密度と特性時間との関係について現地データを用いて検討した。その結果、崩壊個数密度は特性時間を用いればかなり精度よく予測できることが判明した。課題2については、崩壊発生に伴う河道堆積物の生成のプロセスおよび生成のタイミングがいかに定められるかが重要な課題であって、前者については崩壊土砂の流動化のプロセスに関する理論研究を発展させ、後者については、一雨による全生産土砂量、降雨時刻および特性時間を用いてこれを質量保存則の中に記述した。課題3については、申請者らによって開発された土砂流出予測モデルに対し、2の成果を導入し、降雨を与条件とする流砂形態毎の土砂流出予測ができる段階に進展させた。これによれば、対象とする流域の1 : 25000程度の地形図があれば、降雨を与えることにより、Wash-load、浮遊砂および掃流砂の予測ができるばかりでなく、河道堆積物とその粒度分布の予測ができる。この方法を熊野川流域の旭ダム流域に適用し、ダム堆砂データと比較した結果、きわめて良好な結果が得られている。このように当初の計画通りに成果は得られたものの、河道堆積物の生成問題や予測法の一般化に関連する諸課題が残されており、今後に究明すべき課題も残されている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 江頭進治, 伊藤隆郭: "河道堆積物の生成機構を考慮した土砂流出予測法の開発"平成15年度 砂防地すべり技術研究成果報告会講演論文集. 33-46 (2003)
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[Publications] Shinji Egashira, Takahiro Itoh, Kuniaki Miyamoto: "Debris flow simulations for San Julian torrents in Venezuela"Proceedings of the 3rd IAHR Symposium on River, Coastal and Estuarine Morphodynamics RCEM. 2003. 976-986 (2003)
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[Publications] Shinji Egashira, Hiroji Nakagawa, Takahiro Itoh, Rabindra Osti: "Theoretical tools for analyzing sediment countermeasures"Proceedings of the International Civil Engineering Conference on Sustainable Development in the 21st Century, Nairobi, Kenya, 12-16 August. 425-436 (2003)
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[Publications] 伊藤隆郭, 江頭進治: "土石流の流出土砂量に及ぼす形状係数の重要性"水工学論文集. 48巻(2). 895-900 (2004)
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[Publications] Rabindra Osti, Shinji Egashira, Takahiro Itoh: "Prediction of 1999-San Julian debris flows based on dependent and independent occurrences"水工学論文集. 48巻(2). 913-918 (2004)