2001 Fiscal Year Annual Research Report
近年の地震被害統計調査データに基づく建築物の地震リスク評価と表示
Project/Area Number |
13450222
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 康裕 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70324704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 正一 千葉大学, 工学部・都市環境システム学科, 教授 (90292664)
小嶋 伸仁 損害保険料率算定会, 地震保険部, 主任研究員
鈴木 祥之 京都大学, 防災研究所, 教授 (50027281)
宮腰 淳一 清水建設(株), 和泉研究室, 副主任研究員
金子 美香 清水建設(株), 和泉研究室, 副主任研究員
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Keywords | 地震リスク / 鳥取県西部地震 / 芸予地震 / 被害率 / 生活復興 / 被害の多面的記述 / データベース / 地震動強さ |
Research Abstract |
本研究の目的は、人々の地震リスクの認識を高めて建築物の耐震性の向上対策(改修・補強等)を促進するとともに、地震時の被害認識を正確にする事によって被害復旧を容易たらしめる事である。 本年度は、まず、被害実態である近年の地震被害データを収集・蓄積・整理を行って、地震被害データベースの構築を行う。本年度対象とした地震は、1)1993年釧路沖地震、2)1995年兵庫県南部地震、3)1999年台湾集集地震、4)1999年トルココジャエリ地震、5)2000年鳥取県西部地震、6)2001年芸予地震、7)2001年インド西部地震である。特に、鳥取県西部地震については、地震直後に実施した日野町800棟の構造被災度調査および応急危険度判定結果に加え、罹災証明データや建て替え・補修など現況データを収集・調査した。これにより、i)構造体被害と修復可能性,ii)構造体被害と地震保険の支払い基準、iii)構造体の被害と税金減免基準の3つの関係が記述でき、すなわち構造被災度の多面的記述が可能となって、地震リスクの認知向上に資する地震リスク表示を行うことができた。また、芸予地震については、観測地点周辺の木造住家被害率を調べた。これにより、被害が発生開始地点の予測を行う地震動強さと被害状況、被害発生要因などについて分析を行った。さらに、インド西部地震について、ガンディーダム市の地震被害調査と常時微動計測を行い、階数が高い建物ほど被害率が高いという被害傾向を明らかとし、その傾向が都市形成過程との関係についても分析を行った。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] 神原浩, 林康裕: "建物応答に関係付ける地震動強さ指標に関する考察-建物の簡易応答予測に基づく検討"日本建築学会構造系論文集. No.543. 69-76 (2001)
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[Publications] 林康裕, 澤田純男, サンジェイ・パリーク: "Gandhidhamの建物被害"日本建築学会2001年インド西部グジャラート地震被害調査報告会. 60-67 (2001)
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[Publications] 藤川智, 林康裕, 福武毅芳: "洪積層及び深部堆積層の非線形性が表層地盤応答および建物応答に与える影響についての検討"日本建築学会構造系論文集. No.545. 71-77 (2001)
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[Publications] 林康裕, 北原昭男, 平山貴之, 鈴木祥之: "2000年鳥取西部地震の地震強さの評価"日本建築学会構造系論文集. No.548. 35-41 (2001)
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[Publications] 林康裕: "限界耐力計算の中の建物・地盤相互作用と今後の課題、シンポジウム「建物・地盤の動的相互作用-限界耐力計算にどう活かすか-」"日本建築学会近畿支部耐震構造研究部会. 44-55 (2001)
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[Publications] 林康裕: "鳥取県西部地震・芸予地震-木造家屋被害調査-"京都大学防災研究所公開講座(第12回). 29-36 (2001)
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[Publications] 林康裕: "3.4建物被害と地震動,特集記事2000年鳥取県西部地震-被災地日野町でのシンポジウムから-"自然災害科学. 20・3. 263-266 (2001)
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[Publications] 林康裕: "設計用入力地震動はどうあるべきか、シンポジウム「建築基準法改正後の実務設計がどう変わったかその実例と解説」"本建築学会近畿支部・建築業協会関西支部. 87-94 (2002)
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[Publications] 林康裕, 鈴木祥之, 後藤正美, 小嶋伸仁: "2001年芸予地震における木造家屋被害の分析"日本建築学会構造系論文集. No.556(掲載予定). (2002)
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[Publications] 石田理永, 中井正一, 苑徳君, 山口祥生, 名雪剛, 広瀬啓一, ベ・ジェギュ: "千葉市の微地形・地盤特性に関する研究"地域安全学会論文集. No.3. 51-58 (2001)
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[Publications] 中井正一, 山口祥生, 石田理永: "衛星データと古い時期の土地利用に基づく地盤特性の推定の試み-千葉市およびその周辺地域を例として-"日本建築学会構造系論文集. 第552号. 69-75 (2002)
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[Publications] 苑徳君, 名雪剛, 石田理永, 中井正一: "常時微動計測に基づく千葉市の地盤振動特性の把握"日本建築学会大会学術講演梗概集. B-2. 775-776 (2001)
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[Publications] 金子美香: "家具の寸法と摩擦係数を考慮した地震時の家具転倒率の推定"日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造II. 95-96 (2001)
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[Publications] 金子美香: "地震時における家具の転倒率推定方法"日本建築学会構造系論文集. 第551号. 61-68 (2002)
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[Publications] 檀 一男, 宮腰淳一, 八代和彦: "経験的グリーン関数法による1993年北海道南西沖地震の札幌および秋田における地震記録の再現-断層の非一様すべり破壊モデルの特性化手法の検証"日本建築学会構造系論文集(掲載予定). 第554号. 53-62 (2002)
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[Publications] 宮腰淳一, 壇 一男, 八代和彦: "強振動予測のための震源モデルの特性化手法の検証-経験的グリーン関数法による1993年北海道西南沖地震の札幌および秋田における地震記録の再現"日本地震学会講演予稿集2001年度秋季大会. A77. (2001)
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[Publications] 奥村俊彦, 南部世紀夫, 宮腰淳一, 石川 裕: "地震のタイプに分類した発生頻度の空間分布のモデル化に関する検討"日本地震学会講演予稿集2001年度秋季大会. A50. (2001)
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[Publications] 小嶋伸仁, 吉田博昭, 鈴木祥之: "すまいのカルテ"シンポジウム「木構造と木造文化の再構築」、日本建築学会近畿支部. 135-151 (2001)