2004 Fiscal Year Annual Research Report
鉛ダンパー組込み梁継手を有する鋼構造ラーメン骨組の力学性能に関する研究
Project/Area Number |
13450231
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
甲津 功夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50026291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 元英 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90216979)
桑原 進 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10243172)
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Keywords | 鉛ダンパー / 鋼構造 / 梁継手 / 制震装置 |
Research Abstract |
1.鉛ダンパーをすべての梁継手に組込んだ鋼構造ラーメン骨組を対象として地震応答解析を実施し、ダンパーの抵抗力の大きさが骨組の最大層間変形角応答に及ぼす影響について調査した。柱や梁部材が地震時に降伏することなく、ダンパーのエネルギー吸収能力にのみ依存すると仮定し、ダンパーの抵抗力を梁の降伏曲げ耐力を基準として変動させて制震効果について調べた。解析結果から、ダンパーの抵抗力を梁の降伏耐力の0.4培程度としてもダンパーを付加しないラーメン骨組に比べて、最大層間変形角応答を低減できることを示した。 2.鉛ダンパーを梁継手に組込んだ部分架構試験体を用いた地震時挙動を再現する動的加振実験結果から、ダンパーの加振振動数依存性、加振変位振幅依存性、多数回の繰返しに伴う劣化性状、鉛の塑性流動化に伴う発熱がダンパーの性能に及ぼす影響など、提案する鉛ダンパーの実用性を判定するための基本事項について整理した。その結果、加振振動数を0.5-2.0Hz程度最大変位振幅を5mm程度、繰返し回数を140回程度の条件下では、ダンパーの抵抗力は安定していることを示した。また、提案する構造を有する鉛ダンパーでは、鉛の発熱に伴うダンパー外表面の温度上昇はせいぜい数度に止まることより、実用化にあたって問題とはならないことを示した。 3.鉛ダンパー内部のオリフィス部形状の見直しを行い、鉛ダンパーを用いた静的載荷実験を実施した。その結果、鉛塊の体積を増加させることなく抵抗力の増大が確認され、最大抵抗力を約800kNまで高めることが可能となった。
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Research Products
(4 results)