2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境負荷の低減と費用対効果を考慮した生活安全のための規範作りに関する研究
Project/Area Number |
13450236
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
辻本 誠 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90115600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 守 独立行政法人建築研究所, 上席研究員 (60170205)
奥宮 正哉 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (30160815)
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Keywords | 環境負荷 / 費用対効果 / 生活安全 / 規範 |
Research Abstract |
本年度の研究内容としては、以下の2点を行ないそれぞれの項に記述した成果を得た。 1.ライフサイクルに関する文献調査 LCC、LCCO_2による環境負荷分析は、建築における各分野で盛んに行われており、これらの研究から環境負荷の低減と総費用最小化の境界条件が、相互に防災対策にどう影響するかを視点とした文献調査を行なった。両者を総合的に扱った文献は当然のことながら無いが、具体的成果として以下の(1)、(2)から、標準仕様に対して省エネ型と防災対策強化型のLCCO_2を比較することで、総費用最小化への影響を明らかにできると判断し、来年度の課題とした。 (1)構造形態の違いによるLCCO_2評価では、防災対策は境界条件外(損傷制御構造の採用で被害を交換可能な部分に限定するという仮定)の扱いをしている。一方でリサイクルの採用で、3割の環境負荷低減が可能とする計算例が示されている。 (2)標準仕様にリサイクル資材使用型と省エネ型の2者を加え、LCCO_2評価をした計算例では建設費10%増で省エネ型にしたものが圧倒的にLCCO_2を減らすことができるとされている。 2.規範としての法規と環境 顕在する代表的規範として日本の法規の構造、特にその環境問題(大気汚染、日影障害)に関わる構造を法体系の側と環境工学の側の両方から検討することによって、現状で両者の負っている問題点とこれが規範の明確化に落としているマイナス面を明らかにした。 具体的成果としては、マスキー法(1970年、米国)を契機とする大気汚染防止において、法体系の側からは、日米ともに規制した幾つかの汚染物質のうち窒素酸化物だけが規制値に達しない状態で推移している矛盾、技術側からは規制値と技術の間に適切な関係を作り出せずにいる弱点を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 辻本 誠: "社会的規制におけるマスキー法の意味"日本建築学会学術講演梗概集. D-1. 1051-1052 (2001)
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[Publications] 辻本 誠: "リスク比較と認知"建築雑誌、日本建築学会. 116巻1479号. 22-25 (2001)
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[Publications] 余 暁東, 辻本 誠: "病院における火災死亡リスクの経年変化と規制"日本建築学会東海支部研究報告書. 537-540 (2002)