2003 Fiscal Year Annual Research Report
省エネルギー・火災安全性からみた煙突効果の制御と利用に関する研究
Project/Area Number |
13450241
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長谷見 雄二 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40298138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 常圭 独立行政法人消防研究所, プロジェクト研究部, プロジェクトリーダー(研究職)
金森 道 早稲田大学, 理工学部, 助手 (00367046)
|
Keywords | 煙突効果 / ソーラーチムニー / アトリウム / ダブルスキン / 自然換気 / 遮煙 / 模型実験 / 数値流体解析 |
Research Abstract |
省エネルギー環境調整手法の一つである自然換気システムをほぼそのまま煙制御に利用する設計手法の実現可能性と設計手法を実証的に検討した。平成15年度の主な研究成果は以下の通りである。 (1)パッシブ遮煙機能をもつアトリウム型ソーラーチムニーの換気・遮煙性能の分析 平成14年度までの研究で自然換気・避難路遮煙の両立可能性が確認されているアトリウム型ソーラーチムニーについて、緯度・季節・外気風等の自然条件及びチムニー高さ等の設計条件による換気性能並びに遮煙性能に及ぼす影響を予測した。これにより、夏季の換気性能低下を緩和する設計手法等を誘導した。また、火災規模は中性帯高さには殆ど影響せず、大規模火災が想定される場合でも避難路間仕切りの耐熱性を確保すれば避難に支障を来たさないこと、換気・遮煙性能は外気風の影響を受け易いため、排気口に風除けが必要なことを明らかにした。 (2)ダブルスキンを利用した自然換気・避難路遮煙システムのフィージビリティ研究 中高層建築において、日射熱の緩和を目的として設置されるダブルスキンが、煙突効果による室内空気誘引効果を持つことに着目し、ダブルスキンによる中高層建築の自然換気・避難路遮煙システムの実現可能性を、模型実験及び数値流体解析により検討した。これらの性能を満足し得る建築形態として、南側から順にダブルスキン、居室、アトリウムと並ぶ平面を持ち、上部にチムニーを有する建物を構想し、自然換気性能を模型実験により検討した。自然換気が確保できる条件を具体的に明らかにしたうえで、1階居室で火災となった時にダブルスキンから自然排煙し、各階居室、アトリウムに煙が侵入しないようにする条件を検討した。これらにより、現実的な設計の範囲で、自然換気・避難路遮煙の手法となり得ることを実証できた。
|
-
[Publications] 丁文ティ, 長谷見雄二, 峯岸良和: "アトリウム型ソーラーチムニーにおる自然換気と避難路遮煙の両立可能性"日本建築学会環境系論文集. 第569号. 1-6 (2003)
-
[Publications] 西本聡, 岡澤尚美, 江川雄介, 丁文ティ, 長谷見雄二, 山田常圭: "ダブルスキンを利用した自然換気と煙制御の両立可能性に関する研究 その1 煙突効果を利用したダブルスキンの自然換気と煙制御の基本概念"2003年度日本建築学会関東支部研究報告集 I. 349-352 (2004)
-
[Publications] 岡澤尚美, 西本聡, 江川雄介, 丁文テイ, 長谷見雄二, 山田常圭: "ダブルスキンを利用した自然換気と煙制御の両立可能性に関する研究 その2 縮小模型実験による自然換気性状把握"2003年度日本建築学会関東支部研究報告集 I. 353-356 (2004)
-
[Publications] 江川雄介, 岡津尚美, 西本聡, 丁文ティ, 長谷見雄二, 山田常圭: "ダブルスキンを利用した自然換気と煙制御の両立可能性に関する研究 その2 縮小模型実験による煙性状把握"2003年度日本建築学会関東支部研究報告集 I. 357-360 (2004)
-
[Publications] W.Ding, Y.Minegishi, Y.Hasemi, T.Yamada: "Smoke control based on a solar assisted natural ventilation system"Building and Environment. (印刷中). (2004)
-
[Publications] 丁文ティ, 長谷見雄二, 峯岸良和: "パッシブ遮煙機能をもつアトリウム型ソーラーチムニーの自然換気性能に関する研究"空気調和・衛生工学会論文集. 第93号(印刷中). (2004)