2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450248
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
後藤 春彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70170462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 諭 岩手大学, 農学部, 専任講師 (60308260)
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Keywords | 鉄道車窓景観 / シークエンス景観 / 速度変化 / アイマークレコーダー / ゆらぎ |
Research Abstract |
1.【車窓景観の定量的記述4】 (1)車窓景観の濃度値波形、ゆらぎ値波形 今年度対象とした車窓景観のゆらぎ値波形をその動画像より抽出した濃度値より得た。 (2)注視対象者の濃度値波形、ゆらぎ値波形 同様に被験者の注視特性を得るため、被験データの内、特に典型的な注視特性を示した3つを対象として注視対象の濃度値波形によるゆらぎ値を求めた。 (3)両者の濃度値の比較 車窓景観と被験者との濃度値プロットを比較すると、前者は画面の上部が白く、下部ほど濃度が濃くなっていることが分かった。後者はそのような特徴は示さず、濃淡の分布はまだら状になった。これは、視点を固定した前者に対して、後者は継起的に様々な注視対象を選択するためと思われる。 (4)視点移動の速度とシークエンス変化 以上のゆらぎ解析によって算出した速度の差異にみるゆらぎ値を比較すると、標準速度から倍速になるとゆらぎ値が減少しており、標準速度に比べ倍速において被験者はより連続的で変化の無い樹木を注視する傾向が見られた。 2.【車窓景観整備の指針】 ゆらぎ値による車窓景観整備指針の提示を本項において行う予定であったが研究の進行の都合によりデータ整理の都合上本研究にて得られた事実のみを以下に記載する。それらの景観整備における効果とそれらを通じた車窓景観整備の指針については来年以後の研究課題としたい。 (1)注視点は進行方向に移動し、また速度の増加に伴い注視範囲は縮小した。 (2)注視対象は樹木と建物がその5割を占め、速度増加に伴い樹木への注視が増えた。その他の注視対象の割合には目立った変化は見られなかった。 (3)注視距離は注視対象の空間構成に関係性を示した。 (4)車両の加速、等速、減速運動に伴い、注視対象は近景、遠景、近景と連続的に変化した。 (5)速度増加に伴い注視対象の車窓景観が単調なものへと変化した。
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