2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450255
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
深道 和明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々間 昭正 日立金属(株), 磁性材料研究所, 主任研究員
笹尾 和宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 博士後期課程・日本学術振興会特別研究員
梅津 理恵 東北大学, 大学院・工学研究科, 日本学術振興会特別研究員
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Keywords | Mn系合金 / ネール温度 / 結晶歪み / 磁気構造 / バンド構造 |
Research Abstract |
γ-Mn系不規則相合金の中でMuRu系に次いで高いネール温度を有し、GMR、TMR効果を示す多層膜中の反強磁性材料として最も着目されているMnIr不規則相合金を作製し、粉末x線回折測定、磁化測定を行い結晶構造と磁気構造の関連性を調べ、ネール温度以下での相図を明らかにした。実験の結果、γ-MnIr不規則相合金は立方晶および正方晶の結晶構造を有し、以前に我々のグループが調べたMnRh系合金の相図に比べ、立方晶を示す組成領域がMnリッチ側にシフトしていることが明らかになった。これらの合金系で見られる結晶歪みは磁気構造と密接に関連しており、交換結合膜として応用する上で非常に重要な情報である。この結果は日本金属学会で発表され、現在論文投稿準備中である。 γ-Mn系合金と同様に、非常に高いネール温度を示すことで実用材料として盛んに研究がなされているAuCu-I型 MnT(T=Ni,PB,Pt)合金のうち、MnPd,MnPt合金を作製し、磁化、電気抵抗、低温比熱測定を行った。電気抵抗測定の結果、ネール温度以下でギャップ型反強磁性体特有のハンプがみられ、また、低温比熱測定から求められる電子比熱係数の値は非常に小さく、計算から得られたフェルミ面近傍に擬ギャップを有するバンド構造とよく対応する結果が得られた。MnPt系ではネール温度と電子比熱係数の組成依存性も詳細に調べ、等比組成近傍で最も高いネール温度、最も小さな電子比熱係数の値を示すことが分かった。これらの結果は日本応用磁気学会、日本物理学会、国際会議等で発表し、雑誌に論文掲載が決まっている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] R.Y.Umetsu: "Electrical and Calorimetric Evidence of a Pseudo-gap in Antiferromagnetic Equiatomic MnPd Alloy"J. Magn. Magn. Mater.. (印刷中).
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[Publications] R.Y.Umetsu: "Concentration Dependence of Magnetic and Electrical Properties of Gap-type antiferromagnetic MnPt Alloys"J. Appl. Phys.. (掲載決定).