2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450263
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島田 昌彦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80029701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 俊一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (10271975)
山根 久典 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20191364)
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Keywords | 多成分系ナイトライド / 機能性窒化物 / フラックス法 / 電気的性質 / 磁気的性質 |
Research Abstract |
物質系を拡張し、新しい機能性セラミックス素材を探索する研究として、本研究ではBa(Sr)-In-Cu-N系の多成分系ナイトライドの合成と電気的性質の評価を行った。 高純度Ar雰囲気グローブボックス内で、Ba、Sr、In、Cuの金属片とフラックスであるNa金属を所定量秤量し、BN容器内に入れ、ステンレスチューブ中に封入後電気炉で750℃まで加熱し、その後N_2ガスを導入してガス圧7MPaで1時間保持後550℃まで除冷した後に炉冷して試料合成を行った。 本研究では、6種の新規窒化物、Ba_8Cu_3In_4N_5、Ba_<14>Cu_2In_4N_7、Sr_8Cu_3In_4N_5、Ba_<0.73>Sr_<0.28>CuN、Ba_6In_<4.72>N_3とBa_<19>In_9N_9の合成に成功し、単結晶X線構造解析の結果から結晶構造を決定し、N原子を中心とした配位多面体構造の特長、Cu原子の配位構造やInによるポリアニオン構造を明らかにした。 各窒化物中において、N原子はBa、Sr、Cu原子によって配位された金属元素による6配位8面体内に位置していることが判明した。これらの配位多面体は互いの頂点、稜や面を共有して配位多面体による構造を形成しており、トンネル構造、網状構造、積層構造と多彩な構造形成が確認された。Cu原子はいずれの構造中においても、N原子に2配位され、ダンベル状構造陰イオン基や直線またはジグザグ状一次元鎖を形成している。In原子はN原子と結合せず孤立または1次元、3次元に拡張したポリアニオンとして構造中に存在するという過去に報告のない特異な構造形態を有することが明らかとなった。 Ba_8Cu_3In_4N_5とSr_8Cu_3In_4N_5は金属的な電気伝導を示すことがわかったが、他の4つの窒化物は絶縁体であった。 本研究で6種類の新規窒化物の合成に成功し、特異な結晶構造、特にインジウムポリアニオンの存在は興味深い局所構造であるが、結晶構造と物性との関係解明は今後の課題である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hisanori Yamane: "Ba_<14> Cu_2 In_4 N_7, a new subnitride with isolated nitridocuprate groups and indium clusters"Acta Crystallograhpica Secton C. C58. 150-152 (2002)
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[Publications] Hisanori Yamane: "Synthesis and structure of Ba_8 Cu_3 In_4 N_5 with Nitridocuprate Groups and One-Dimensional Infinite Indium Clusters"Journal of Solid State Chemistry. 163. 449-454 (2002)